管理栄養士の過去問
第32回
公衆栄養学 問154

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 公衆栄養学 問154 (訂正依頼・報告はこちら)

食事調査法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 秤量記録法は、対象者の負担が小さい。
  • 秤量記録法は、1日で個人の習慣的な摂取量が把握できる。
  • 24時間思い出し法は、面接方法の標準化が必要である。
  • 陰膳法は、対象者の記憶に依存する。
  • 食物摂取頻度調査法は、他の食事調査法の精度を評価する際の基準となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「3」

1.(誤)秤量記録法は、対象者の負担が大きくなります。日常的な調理の際に使用した食材、調味料を全て記録してもらう必要があるためです。

2.(誤)秤量記録法は、1日だけでは個人の習慣的な摂取量は把握できません。日本の国民健康・栄養調査では、秤量法が用いられています。

3.(正)24時間面接法は、面接方法の標準化が必要です。これは面接者の技術によって、思い出し方や量の推定にばらつきが生じるためです。標準化することで正確な調査が行えるようになります。

4.(誤)陰膳法は、対象者が食べたものと同じものを用意し、科学的な分析を行う方法です。最も正確な値が算出できる一方、時間と金銭的な負担がかかります。

5.(誤)食事調査法の精度を評価する際の基準としては、秤量法などの食事記録法が用いられます。

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02

正答は(3)。

(1) 秤量記録法とは、実際に食べた食品の重量や容量を測定する方法です。
真の値に近づく反面、対象者の負担が大きいのが特徴です。×。

(2) 1日の食事を測定しただけでは個人の習慣的な摂取量は把握できません。×。

(3) 24時間思い出し法とは、栄養士が面接をおこなって対象者の調査前日の食事内容を聞き取るものです。
前日の食事を思い出すので対象者にとっては比較的思い出しやすい反面、栄養士は記録やメモがない状態で食品と重量を推定しなければならないため、面接方法の標準化が必要です。○。

(4) 除膳法は、対象者が食べたものと同じものを同量用意し測定する方法です。
同じものを用意するため、真の値となりますが、対象者の金銭的・作業的負担が大きいです。×。

(5) 食物摂取頻度調査は、長期間の食事摂取状況を把握でき、多くの人数から回答を集められます。
一方で栄養素の摂取量を正確に把握できなかったり、日間変動に左右されます。
他の食事調査法の精度を評価する際の基準となるのは食事記録法なので×。

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03

答えは(3)

(1)✖ 秤量記録法は、正確性が高いことが長所で、国民健康栄養調査にも採用されていますが、対象者の負担が大きいことや、外食等への対応のしにくさは短所です。

(2)✖ 個人の習慣的な摂取量を把握するための手法は、食物摂取頻度調査法です。日々の食物摂取には変動があるので、国民健康栄養調査でも3日間分の秤量記録法を用いています。

(3)〇 24時間思い出し法は、対象者にとって負担の少ない方法ですが、記録漏れや対象者の食への関心度による誤差等を防ぐため、面接方法の標準化が必要です。

(4)✖ 陰膳法は、実際に摂取したものと同じ食事を科学的に分析する手法です。実際に普段どおりの食事を分析できれば非常に正確な調査法ですが、多大な費用や労力、普段の食事とかけ離れた食事になるリスクが短所です。

(5)✖ 食物摂取頻度調査法では、個人の習慣的な食物摂取状況を把握でき、また摂取量の相対的なランクづけをする際の基準ともなります。

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