管理栄養士の過去問
第33回
臨床栄養学 問128

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問題

第33回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問128 (訂正依頼・報告はこちら)

非代償性肝硬変で上昇する項目である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 血清総コレステロール値
  • 血中アンモニア値
  • フィッシャー比
  • 血漿膠質浸透圧
  • 早朝空腹時の呼吸商

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は【2】です。

肝硬変は「代謝期」と「非代謝期」に分類されます。
◆代謝期:肝機能はまだ維持できている
◆非代謝期:肝機能は維持できていない

<非代謝期の症状>
・黄疸
・腹水
・肝性脳症
・低血糖


1 . 血清総コレステロール値
×コレステロールは肝臓で生成されるため、肝機能が維持できていない場合には数値は下がります。

2 . 血中アンモニア値
○アンモニアは肝性脳症の誘発となることから、増加します。

3 . フィッシャー比
×フィッシャー比は「分岐鎖アミノ酸(BCAA)/芳香族アミノ酸(AAA)」で表され、肝硬変では分岐鎖アミノ酸(BCAA)が減少し、芳香族アミノ酸(AAA)が増加するため、フィッシャー比は低下します。

4 . 血漿膠質浸透圧
×血漿中のアルブミン濃度が低下するため、血漿膠質浸透圧が低下し、腹水の要因となります。

5 . 早朝空腹時の呼吸商
×肝臓でのグリコーゲンの貯蔵量が減少しているため、低血糖状態になります。早朝空腹時は糖質利用が減るため、脂質利用が増え呼吸商は低下します。

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02

正解:2

 1:血清総コレステロール値
  →低下します。
肝臓でのコレステロール合成能の低下により、血清総コレステロール値も低下します。

◎2:血中アンモニア値
 →上昇するため、正しい選択肢です。
アンモニアは、肝臓の尿素回路で無害な尿素に分解されますが、この解毒作用の低下により、血中アンモニア値が上昇します。

 3:フィッシャー比
  →低下します。
フィッシャー比は、「血中分岐鎖アミノ酸/血中芳香族アミノ酸」であらわされます。
分岐鎖アミノ酸の筋肉での消費やエネルギー源としての利用などが増えるため、血中濃度が低下します。一方、芳香族アミノ酸は肝臓での代謝が低下し、血中濃度が上昇します。よって、肝機能の低下に伴いフィッシャー比も低下します。

 4:血漿膠質浸透圧
  →低下します。
肝臓でのアルブミン合成能が低下することで低アルブミン血症となります。
それにより、血漿膠質浸透圧の低下がみられます。

 5:早朝空腹時の呼吸商
  →低下します。
呼吸商とは、体内で栄養素が燃焼する際の、消費した酸素量と発生した二酸化炭素量の体積比のことです。
糖質だけが燃焼したときは1.0 、脂肪だけが燃焼したときには約0.7となるため、エネルギー源としての脂肪の利用が増えると呼吸商は低下します。
肝硬変では、肝臓にグリコーゲンを貯蔵する能力や糖新生を行う能力が低下するため、早朝など空腹時の脂肪燃焼が増加します。

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03

1. 血清総コレステロール値は低下するので×です。

2 . 血中アンモニア値は上昇するので〇です。

3 . フィッシャー比はBCAAが消費されてAAAが増加するため低下するので×です。

4 . 血漿膠質浸透圧はアルブミンが減少することで低下するので×です。

5 . 早朝空腹時の呼吸商は、脂質消費量が増えることによって低下するので×です。

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