管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問55

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

食中毒の原因となる細菌およびウイルスに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • リステリア菌は、プロセスチーズから感染しやすい。
  • サルモネラ菌は、偏性嫌気性の細菌である。
  • 黄色ブドウ球菌は、7.5%食塩水中で増殖できる。
  • ボツリヌス菌の毒素は、100℃、30分の加熱で失活しない。
  • ノロウイルスは、カキの中腸腺で増殖する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.リステリア菌は、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品などから検出されている食中毒菌です。加熱に弱く、低温や塩蔵に強い点が特徴です。


2.サルモネラ菌は、主に食肉や卵から検出されるグラム陰性の通性嫌気性桿菌です。熱に弱いため、加熱により死滅することができます。


3.正解です。黄色ブドウ球菌は増殖する際産生するエンテロトキシンという毒素によって食中毒を引き起こします。主に人の手を介して食品に付着します。乾燥に強く、食塩濃度が7~10%の環境でも生きていけるという特徴を持っています。また菌は熱により死滅しますが、毒素は酸や熱に強いという特徴もあります。


4.ボツリヌス菌は土壌に広く分布している偏性嫌気性菌で毒素を産生することにより食中毒を引き起こします。芽胞をつくるため、熱や乾燥に強いという特徴を持っています。一方、ボツリヌス菌が産生する毒素は加熱により失活することができます。


5.ノロウイルスはカキの中腸線に溜められていますが、増殖するのは人の腸管内のみと言われています。感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染・発症します。

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02

正解は 3 です

1:誤
リステリア菌食中毒の原因となるのは、ナチュラルチーズなどの乳製品や、
生ハム、スモークサーモンなどです。
加熱によって死滅しますが低温や塩分がある環境でも増殖できます。

2:誤
サルモネラ菌は通性嫌気性桿菌です。
生肉の中でも特に鶏肉から検出され、充分な加熱で死滅します。

3:正
黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンという毒素により食中毒を起こします。
エンテロトキシンは100℃30分の加熱でも分解されず、
塩分があっても増殖します。
化膿巣に存在しますが健康な人であっても鼻や喉から検出されます。

4:誤
ボツリヌス菌の毒素は易熱性で、80℃30分の加熱で不活性化されます。
一方で芽胞は耐熱性があります。
偏性嫌気性球菌のため、真空状態でも増殖します。
缶詰やいずしが原因となることが多いです。

5:誤
ノロウイルスは貝類の中では増殖しません。
ヒトとチンパンジーの腸管のみで増殖します。

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03

正答は(3)

1.(誤)
リステリア菌は、プロセスチーズや非加熱食肉食品から感染しやすいと報告されています。
リステリア菌は加熱による殺菌は容易ですが、低温(-4℃程)、塩分及び亜硝酸塩などに抵抗性を示します。

2.(誤)
サルモネラ菌は、通性嫌気性桿菌に分類されます。
鶏肉や鶏卵からの感染が多く報告されています。
サルモネラ菌は十分な加熱によって不活化できます。

3.(正)
黄色ブドウ球菌は、10%食塩水中で増殖する事ができる耐塩性菌です。
食中毒は、黄色ブドウ球菌が産生する毒素(エンテロトキシン)よって引き起こされます。

4.(誤)
ボツリヌス菌の毒素は、100℃で1~2分程の加熱で失活させる事ができます。
しかしながら、ボツリヌス菌自体は芽胞を形成し高温に耐える事ができます。

5.(誤)
ノロウイルスは、主にヒトの小腸で増殖します。

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