管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問56

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問56 (訂正依頼・報告はこちら)

自然毒食中毒と、その原因となる毒素の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 下痢性貝毒による食中毒 ――― テトロドトキシン
  • シガテラ毒による食中毒 ――― リナマリン
  • スイセンによる食中毒 ―――― イボテン酸
  • イヌサフランによる食中毒 ―― ソラニン
  • ツキヨタケによる食中毒 ――― イルジンS

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 5 です

1:誤
テトロドトキシンはフグ毒の成分です。
日本でみられる貝毒は下痢性貝毒と麻痺性貝毒があります。
毒素を含んでいるプランクトンを貝が摂取することによって
毒が蓄積され、その貝を食べると食中毒症状を引き起こします。

2:誤
シガテラ食中毒の原因はシガトキシンです。
リナマリンはタピオカの原料となるキャッサバに含まれます。

3:誤
イボテン酸はテングダケなどの毒キノコに含まれます。
スイセンは有毒植物で、摂取すると吐き気や嘔吐の症状が現れます。
ニラと似ているため注意が必要な植物です。

4:誤
ソラニンはじゃがいもの芽に多く含まれる毒素です。
イヌサフランは有毒植物で、葉がギョウジャニンニク、
球根がじゃがいもや玉ねぎと類似しています。

5:正
ツキヨタケの毒成分はイルジンSで、嘔吐や下痢などの症状が起こります。
食用きのこのヒラタケに類似しているため注意が必要です。

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02

正答は(5)

1.(誤)
下痢性貝毒による食中毒(主に下痢、吐気、嘔吐、腹痛等の症状がみられます。)は、ディノフィシストキシン、オカダ酸、ペクテノトキシン群等によって引き起こされる事が確認されています。

2.(誤)
シガテラ毒による食中毒(主に消化器系、神経系、循環器系の症状がみられます。)は、シガトキシンによって引き起こされる事が確認されています。

3.(誤)
スイセンによる食中毒(主に悪心や下痢、昏睡、低体温等の症状がみられます。)は、リコリン、ガランタミン、タゼチン、シュウ酸カルシウムによって引き起こされる事が確認されています。

4.(誤)
イヌサフランによる食中毒(主に嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難等の症状がみられます。)は、コルヒチンによって引き起こされる事が確認されています。

5.(正)
ツキヨタケによる食中毒(主におう吐、腹痛、下痢等の症状がみられます。)は、イルジンSによって引き起こされる事が確認されています。

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03

1.アサリやハマグリ、ムラサキイガイなどの二枚貝が餌としている渦鞭毛藻は毒素を持っていることがあり、貝の主に中腸線に蓄積した毒素が下痢性貝毒を引き起こします。下痢性貝毒の毒性成分は、オガタ酸やジノフィシストキシンです。

テトロドトキシンはフグ毒の成分です。


2.シガテラ毒は、渦鞭毛藻が作る毒素を食物連鎖によりバラフエダイ、イッテンフエダイなどの魚が取り込むことにより引き起こされる自然毒です。シガテラ毒の毒性成分はシガトキシン及び類縁化合物です。

リナマリンはライマ豆、バター豆、キャッサバに含まれる青酸配糖体です。


3.スイセンは毒性成分としてリコリンやガランタミン等のアルカロイドを含んでいます。見た目がニラに似ているため注意が必要です。

イボテン酸はテングタケや紅テングタケに含まれている毒性成分です。


4.イヌサフランは毒性成分としてコルヒチンと呼ばれるアルカロイドを含んでいます。ギョウジャニンニクやタマネギ、ジャガイモなどとの誤食に注意が必要です。

ソラニンはジャガイモの芽や、緑色に変わった皮部分に多く含まれる毒性成分です。


5.正解です。ツキヨタケはブナの枯れ木に発生するシイタケやムキタケに似たキノコです。毒性成分のイルジンSは嘔吐や腹痛、下痢などを引き起こします。

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