管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問57
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問57 (訂正依頼・報告はこちら)
食品に含まれる物質に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- アフラトキシンM群は、牛乳から検出されるカビ毒である。
- フモニシンは、トウモロコシから検出されるカビ毒である。
- アクリルアミドは、アミノカルボニル反応によって生じる。
- ヘテロサイクリックアミンは、アミロペクチンの加熱によって生じる。
- 牛肉は、トランス脂肪酸を含有する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 「ヘテロサイクリックアミンは、アミロペクチンの加熱によって生じる。」です。
正
アフラトキシンは穀類やナッツなどに寄生する、
アスペルギルス属のカビが産生するカビ毒です。
アフラトキシンM1とM2は動物の体内で代謝されて生成されるため
乳中に含まれています。
正
フモニシンはフザリウム属のカビから産生され、トウモロコシや
トウモロコシの加工品から検出されます。
正
アミノカルボニル反応はメイラード反応とも呼ばれ、
アミノ酸、ペプチド、たんぱく質などのアミノ化合物と
還元糖、脂質酸化生成物などのカルボニル化合物との間で起こる反応です。
アクリルアミドはこの反応の過程で生成され、
最終的にメラノイジンが生成されます。
誤
ヘテロサイクリックアミンは肉や魚を高温調理した時にできる化学物質で、
焦げの部分に含まれ、がんの発症に関係するといわれます。
野菜やパンなどの焦げに含まれるのはアクリルアミドです。
正
不飽和脂肪酸にはシス型とトランス型があります。
天然の不飽和脂肪酸は通常はシス型で存在していますが、
牛や羊といった反芻動物ではトランス脂肪酸が作られています。
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02
誤っているものは「ヘテロサイクリックアミンは、アミロペクチンの加熱によって生じる。」です。
アフラトキシンにはいくつか種類がありますが、中でもアフラトキシンB1は最も強い発がん性を示すことが知られています。このアフラトキシンB1に汚染された飼料を牛が摂取することにより、体内で代謝物としてアフラトキシンM郡が生成します。アフラトキシンM郡は乳中に多く移行します。
フモニシンはフザリウム属のカビから作られ、トウモロコシやその加工品から検出されています。人への影響としてフモニシンの摂取と胎児の神経管閉鎖障害との関連が示唆されています。
アクリルアミドは発がん性分類において人に対しておそらく発がん性があるとされている劇物です。食品中ではアスパラギンとブドウ糖などの還元糖が加熱によりアミノカルボニル反応を起こすことで生成することがわかっています。
ヘテロサイクリックアミンは、肉や魚などタンパク質を多く含む食品を高温調理することにより、アミノ酸とクレアチニンが反応し生成される発がん性を持つ物質です。アミロペクチンのような炭水化物からは生成されません。
天然の不飽和脂肪酸は通常シス型で存在していますが、牛や羊などでは胃内の微生物の働きによりトランス脂肪酸が作られています。そのため、牛肉には微量のトランス脂肪酸が含まれています。
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03
正答は(ヘテロサイクリックアミンは、アミロペクチンの加熱によって生じる。)
(正)
アフラトキシンM群は、牛乳から検出されるカビ毒です。
アフラトキシンM群は、カビ毒(マイコトキシン)の一種です。
アフラトキシンB1に汚染された餌を摂取した、雌牛の乳から発見されました。
アフラトキシンM群は、アフラトキシンB1が乳牛等の体内で代謝されて生成される事が確認されています。
(正)
フモニシンは、トウモロコシから検出されるカビ毒です。
フモニシンは、カビ毒(マイコトキシン)の一種です。
トウモロコシおよびその加工品や干しぶどうの汚染が問題となっています。
(正)
アクリルアミドは、アミノカルボニル反応によって生じます。
アクリルアミドは、毒物及び劇物取締法上の劇物に指定されています。
神経毒性・肝毒性を有し、皮膚からも吸収される為、取扱いには注意を必要とします。
変異原性(発がん性)が認められています。
(誤)
ヘテロサイクリックアミンは、肉や魚などを高温調理する事によって生じます。
ヘテロサイクリックアミンは、アミノ酸とクレアチンの反応で新たに生成される発がんリスクを持つ物質です。
(正)
牛肉は、トランス脂肪酸を含有します。
トランス脂肪酸は、構造中にトランス型の二重結合を持つ不飽和脂肪酸です。
トランス脂肪酸は、水素を付加して硬化した部分硬化油(マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等)を製造する過程で多く生成されます。
また、トランス脂肪酸は天然の動植物の脂肪中に少し存在し、ウシ、ヒツジなど反芻動物の肉や乳製品の脂肪に含まれます。
トランス脂肪酸は、心血管疾患のリスクを高めると言われています。
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