管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問62
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問62 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の保存に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- ブランチング処理により、酵素は活性化する。
- 最大氷結晶生成帯を短時間で通過させると、品質の低下は抑制される。
- 塩蔵では、食品の浸透圧は低下する。
- CA貯蔵では、二酸化炭素を大気より低濃度にする。
- 酸を用いた保存では、無機酸が用いられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:誤
ブランチング処理は、野菜を冷凍する前に茹でたり蒸したりすることで
酵素を失活させ、鮮度を保つ方法です。
2:正
最大氷結結晶生成帯は、-1℃~-5℃の、食品中の水分が凍り始めて
凍結するまでの温度帯のことをいいます。
この温度帯の通過時間がながいほど食品の組織の損傷が大きくなります。
3:誤
塩蔵により食品の浸透圧が上昇し、微生物が原形質分離を起こして
増殖を抑制します。
4:誤
CA貯蔵はN2、CO2濃度を高くして行う貯蔵方法です。
果実や野菜の鮮度低下予防に利用されます。
5:誤
酸を用いた保存では、有機酸が用いられます。
細菌はpH7、カビはpH4付近でよく増殖しますが、
酢漬けにすることでpH3以下になるため微生物の増殖が抑えられます。
同じpHであっても、無機酸より有機酸のほうが
微生物の増殖抑制効果は高くなります。
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02
2.正解です。最大氷結晶生成帯とは、食品を冷凍する際氷結晶が大きくなりやすい温度帯のことで、-1℃~-5℃までの温度帯を指します。氷結晶が大きくなると、食品内部の組織が壊れてしまい、食品の品質が低下します。そのため冷凍食品の品質維持には最大氷結晶生成帯を30分以下で通過する急速冷凍をすることが重要となります。
3.塩蔵とは、食品を塩漬けにすることで浸透圧を高め保存性をよくする方法です。浸透圧が高くなると、微生物が利用できる自由水が減るため、これらの増殖を防ぐことができます。
4.CA貯蔵は貯蔵庫内の大気を調節する(Controlled Atmosphere)ことにより保存性を高める方法で、リンゴやナシなどの鮮度保持に用いられています。基本的には大気中よりも酸素濃度を下げ、二酸化炭素・窒素濃度を上げることで食品の呼吸を抑制し品質の低下を防いでいます。
5.食品を酢漬けにしたりソルビン酸などの酸性保存料を添加すると、食品のpH が下がり保存性が高まります。これは微生物がpH4以下の環境では繁殖できなくなるためです。この保存効果は塩酸などの無機酸に比べて有機酸の方が高いことが知られています。
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03
1.(誤)
ブランチング処理により、酵素は不活化します。
ブランチング処理とは、主に野菜や果物などを短時間加熱したのちに冷やすという調理法の事です。
一般的に食品の冷凍や乾燥、または缶詰を作る前処理として行われます。
2.(正)
最大氷結晶生成帯を短時間で通過させると、品質の低下は抑制されます。
最大氷結晶生成帯とは、食品を冷凍する過程で、氷結晶が大きくなりやすい温度帯(食品が凍り始める-1℃~-5℃までの温度帯)の事です。
生成される氷結晶が大きくなると、食品内部の組織が圧迫されて損傷してしまい、食品の組織にダメージを与えるとされています。
3.(誤)
塩蔵では、食品の浸透圧は上昇します。
塩蔵とは、腐敗しやすい畜肉や魚介類・野菜等を塩分濃度の高い状態(浸透圧の高い状態)におく事で細菌等を繁殖させにくくし保存する手段の事です。
4.(誤)
CA貯蔵では、二酸化炭素を大気より高濃度にします。
CA貯蔵とは、庫内中の酸素濃度(二酸化炭素濃度がが高くなる)を低くし、かつ温度も低くする事によって、果物や野菜の呼吸作用を抑制し、保存性を高める方法です。
5.(誤)
酸を用いた保存では、主に有機酸が用いられます。
酸を用いた保存では、pHの低下を利用して保存効果を高めます。
同じpHの場合は無機酸よりも有機酸のほうが保存効果は高い事が確認されています。
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