管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問69
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
消化酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- α-アミラーゼは、チモーゲンとして分泌される。
- トリプシンは、エキソ型酵素である。
- 膵リパーゼの働きは、胆汁酸によって抑制される。
- ペプシンの至適pHは、弱アルカリ性である。
- スクラーゼは、膜消化に関わる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.(誤)
α-アミラーゼは、膵液や唾液に含まれる消化酵素で活性をもった状態で分泌されます。
チモーゲンは、不活性な酵素前駆体の事を指します。
2.(誤)
トリプシンは、エンド型酵素です。
トリプシンは、膵液に含まれるたんぱく質分解酵素(塩基性アミノ酸(リシン、アルギニン)のカルボキシ基側のペプチド結合を加水分解します。)の1つです。
エンド型酵素は一般的に基質特異性が高く、エキソ型酵素は一般的に基質特異性が低いとされています。
3.(誤)
膵リパーゼの働きは、胆汁酸によって促進します。
膵リパーゼは膵液に含まれるトリグリセリド(中性脂肪)を加水分解する消化酵素です。
膵リパーゼが働く為には、胆汁酸による脂肪のミセル化が必要であるとされています。
4.(誤)
ペプシンの至適pHは、強酸性(pH2.0付近)です。
ペプシンは、胃で働くタンパク質分解酵素の一つです。
5.(正)
スクラーゼは、膜消化(小腸の粘膜の刷子縁にある消化酵素によって行われる消化)に関わっています。
スクラーゼは、スクロースを分解しフルクトースとグルコースを生成します。
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02
チモーゲンとして分泌される主な酵素には、タンパク質の分解に関わるペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどがあります。
2.タンパク質の消化に関わる酵素は、エンド型酵素とエキソ型酵素に分けられます。エンド型酵素はペプチド鎖の中にあるペプチド結合を分解する酵素で、エキソ型酵素はペプチド鎖を末端部分から1つずつアミノ酸に分解する酵素です。
エンド型酵素にあてはまる代表的なものとして、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼがあります。一方エキソ型酵素には、カルボキシペプチダーゼAやカルボキシペプチダーゼBがあります。
3.胆汁酸には脂肪を乳化させることで、膵リパーゼによる分解を促進する働きがあります。また、脂肪は膵リパーゼによる分解でモノグリセリドや脂肪酸になりますが、それらが胆汁酸により親水性のミセルを形成することで腸管内に吸収されやすくなる働きもあります。
4.ペプシンの至適pHは1.5~2.5の強酸性です。胃内には塩酸が主成分の胃酸が分泌されているため、ペプシンが働きやすい環境となっています。
5.正解です。膜消化とは、小腸の吸収上皮細胞に存在する微絨毛の膜表面に存在する酵素により行われる消化で、消化と吸収が同時に進行します。二糖類にまで分解された炭水化物はこの膜消化を受けて単糖類になり、体内へ吸収されます。
スクラーゼはグルコースとフルクトースが結合してできたスクロース(ショ糖)を分解する酵素で、マルターゼやラクターゼとともに膜消化に関わる酵素の一つです。
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03
1:誤
チモーゲンとは不活性型の酵素で、たんぱく質分解酵素の作用を受けて
特定のペプチドが切断され、活性型になります。
プロ酵素とも呼ばれます。
例えば膵臓でトリプシノーゲンがトリプシンとなり、
胃ではペプシノーゲンがペプシンとなります。
2:誤
トリプシンはエンド型酵素です。
エンド型酵素は高分子の内部結合を分解する酵素で、基質特異性が高いです。
エキソ型酵素は分子の結合を端から切断していき、基質特異性が低いです。
3:誤
膵リパーゼの働きは胆のうから分泌される胆汁酸によって促進されます。
膵リパーゼによってトリアシルグリセロールが
モノアシルグリセロールと2つの脂肪酸に分泌され、小腸に取り込まれます。
モノアシルグリセロールは再び脂肪酸と結合してトリアシルグリセロールとなり、
カイロミクロンの状態で脂肪組織へ取り込まれます。
4:誤
至適pHとはその酵素が最も活性化するpHのことです。
ペプシンは胃底腺の主細胞から分泌されるペプシノーゲンから作られ、
強酸性下でよく働きます。
5:正
スクラーゼは膜消化に関わる酵素のひとつです。
例えばスクラーゼ、マルターゼ、ラクターゼなどの二糖類分解酵素が
小腸の絨毛から分泌されて単糖類まで分解し、消化吸収されます。
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