管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問70

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

糖質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 糖質の摂取量増加は、ビタミンB6の必要量を増加させる。
  • グルコースは、脂肪酸に変換されない。
  • グルコースは、可欠アミノ酸に変換されない。
  • ペントースリン酸回路は、リボース5-リン酸を生成する。
  • 赤血球には、解糖系が存在しない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(4)

1.(誤)
糖質の摂取量増加は、ビタミンB1の必要量を増加させます。
ビタミンB1は、解糖系やクエン酸回路の代謝の一部で補酵素として働くため、エネルギー産生に深く関与しています。
加えて、糖質代謝に大きく関与するピルビン酸脱水素酵素は、ビタミンB1が活性を制御していることから、糖質の摂取量増加は、ビタミンB1の必要量を増加させます。

2.(誤)
グルコースは、脂肪酸に変換されます。
グルコースのエネルギーが、解糖により、脂肪酸合成に利用され、脂肪酸として蓄えられます。

3.(誤)
グルコースは、可欠アミノ酸(非必須アミノ酸)の合成に利用されます。

4.(正)
ペントースリン酸回路は、最終産物の一つとして、リボース5-リン酸を生成します。

5.(誤)
赤血球には、解糖系が存在します。
赤血球にはミトコンドリアが存在しない為、解糖系によりエネルギー産生を行っています。

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02

正解は 4 です

1:誤
ビタミンB群には補酵素としての役割があり、糖質代謝やアミノ酸代謝、
エネルギー産生などで働いています。
ビタミンB6(ピリドキシン)が活性化されたピリドキサルリン酸としてはたらき、
アミノ基転移反応を進行させます。

2:誤
グルコースは肝臓でグリコーゲンとして貯蔵されます。
過剰なグリコーゲンは脂肪酸の合成が促進されます。

3:誤
可欠アミノ酸は非必須アミノ酸のことで、体内で合成することができます。

4:正
ペントースリン酸回路は解糖系の側路で、細胞質に存在します。
脂肪酸やコレステロールを合成するNADPHと、
DNAやRNAを合成するリボース-5-リン酸が生成されます。

5:誤
赤血球はミトコンドリアを持たないため、解糖系によって
エネルギーを産生します。

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03

1.ビタミンB群は、主にエネルギー代謝の補酵素として体内で働いています。ビタミンB6はアミノ酸の再合成を助ける補酵素であるため、糖質ではなくタンパク質の摂取量により必要量が変わります。糖質の代謝に関わる補酵素の代表的なものにビタミンB1があります。


2.グルコースは体内に吸収されると肝臓に運ばれその大部分がグリコーゲンとして蓄えられますが、過剰に摂取すると脂肪酸合成により脂肪酸に変換されます。この脂肪酸は中性脂肪となり、VLDLによって運ばれ脂肪組織に蓄えられます。


3.可欠アミノ酸とは非必須アミノ酸とも呼ばれ、体内で合成することのできるアミノ酸のことです。グルコースは、体内取り込まれると解糖系、クエン酸回路、電子伝達系の順に代謝されますが、この中間産物であるオキサロ酢酸やピルビン酸などに酵素が働くとアミノ酸が合成されます。


4.正解です。ペントースリン酸回路は解糖系から分岐する回路で、NADP+の還元とヌクレオチドの材料であるリボース-5-リン酸を生成します。


5.赤血球はミトコンドリアを持たないため、解糖系によりエネルギー産生を行っています。

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