管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問71
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
血糖とその調節に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 筋肉グリコーゲンは、血糖維持に利用される。
- インスリンは、筋肉への血中グルコースの取り込みを抑制する。
- 健常者の血糖値は、食後約3時間で最高値となる。
- 糖新生は、筋肉で行われる。
- アドレナリンは、肝臓グリコーゲンの分解を促進する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.(誤)
筋肉グリコーゲンを血糖維持に利用する事は出来ません。
血糖維持に利用されるのは、肝グリコーゲンです。
筋肉グリコーゲンは、筋収縮時のエネルギー源として利用されます。
2.(誤)
インスリンは、筋肉への血中グルコースの取り込みを促進します。
血糖の抑制作用は、インスリンの主な生理作用です。
3.(誤)
健常者の血糖値は、食後約1時間で最高値となります。
その後、2~3時間ほどで正常値に戻ります。
4.(誤)
糖新生は、主に肝臓(一部は腎臓)で行われます。
糖新生とは、糖質以外の物質から、グルコースを生産する経路です。
5.(正)
アドレナリンは、肝臓グリコーゲンの分解を促進します。
アドレナリンによるグリコーゲンの分解は筋肉においても起こります。
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02
2.インスリンは血糖を下げる働きがある唯一のホルモンです。膵臓のランゲルハンス島のβ細胞より分泌され、筋肉や肝臓をはじめとする細胞への血中グルコースの取り込みを促進します。またグリコーゲンや脂肪の合成促進、分解抑制をすることにより血中のグルコースの量を減らす役割があります。
3.健常者では血糖の最高値はは食後1時間以内に示し、2時間ほどで空腹時近くまで減少します。一方糖尿病患者ではインスリンの働きが弱いため、血糖値のピークが食後2~3時間後に現れるという特徴があります。
4.糖新生とは血糖値が下がった時に新たに糖を生成する働きのことで、主に肝臓で行われています。肝臓は筋肉のタンパク質から分解されたアミノ酸や、脂肪細胞の脂肪から分解されたグリセロールを材料に糖新生によってグルコースを生成し、血糖値を維持しています。
5.正解です。アドレナリンは副腎髄質より分泌される神経伝達物質です。アドレナリンが肝臓に作用すると、グリコーゲンからグルコースへの分解を促進し血糖値が上がります。
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03
1:誤
血糖維持に利用されるのは肝グリコーゲンです。
食後は肝臓でグリコーゲンが合成され、空腹時には分解されます。
筋肉グリコーゲンは運動時のエネルギー源として利用されます。
筋肉にはグルコース-6-ホスファターゼが存在しないため、
血糖として利用することはできません。
2:誤
インスリンは膵臓のランゲルハンス等β細胞から分泌されるホルモンです。
血糖値を下げる働きがあり、血糖値を一定に保ちます。
グルコースは肝臓や筋肉にグリコーゲンとして取り込まれます。
3:誤
血糖値は食事後から上昇し、二時間後には空腹時の値まで低下します。
これは、膵臓から分泌されるインスリンの働きによるものです。
糖尿病患者は食後2時間後でも血糖値が低下せず、高血糖状態が続きます。
4:誤
糖新生は肝臓と腎臓で行われます。
糖質以外の物質からグルコースを生成するのが糖新生です。
グリセロールや乳酸、オキサロ酢酸、糖原性アミノ酸が基質となります。
5:正
アドレナリンは副腎髄質ホルモンです。
糖質の代謝において、CAMPを介してホスフォリラーゼを活性化し、
肝臓のグリコーゲンの分解が促進されて血糖値が上昇します。
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