管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問72
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
たんぱく質とアミノ酸の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸の異化を抑制する。
- ロイシンは、体たんぱく質の合成を抑制する。
- インスリンは、体たんぱく質の合成を抑制する。
- 絶食時には、体たんぱく質の合成が抑制される。
- アルブミンは、トランスサイレチンより代謝回転速度が速い。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:誤
異化とは、取り込んだ食物を分解して化合物に変えるとともに
エネルギーを取り出す過程で、分解作用があります。
同化とは、体内の限られた材料を元にして
生体が必要とする物質を生合成する過程で、合成作用です。
過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸の異化を促進します。
2:誤
ロイシンは分岐鎖アミノ酸で必須アミノ酸のひとつです。
体たんぱく質の合成を促進するはたらきがあります。
3:誤
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンです。
糖質やたんぱく質、脂質の代謝に関わっています。
筋でのたんぱく質合成を促進する働きがあります。
4:正
絶食時には筋たんぱく質のアミノ酸を分解し、肝臓で糖新生によって
グルコースに変換します。
この時に分解されるアミノ酸は主にアラニンで、
この経路をグルコースアラニン回路といいます。
5:誤
体内のたんぱく質が入れ替わることを代謝回転といいます。
急速代謝回転たんぱく質をRTPといい、トランスサイレチン、
トランスフェリン、レチノール結合たんぱく質が含まれます。
トランスサイレチン(プレアルブミン)の半減期は3~4日、
アルブミンの半減期は2~3週間です。
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02
2.ロイシンは分岐鎖アミノ酸の一つで、筋線維の原料となる必須アミノ酸です。このロイシンには、タンパク質合成を促進する働きがあります。
3.インスリンは骨格筋に作用して、アミノ酸の取り込みを増加させ体たんぱく質の合成を促進するとともに、たんぱく質の異化を抑制します。これにより、体内の血糖が増えないようにする働きがあります。
4.正解です。アミノ酸は体内に貯蔵できないため、絶食時には体たんぱく質を分解することにより脳へのエネルギー供給を行います。よって、体たんぱく質の合成は抑制されます。
5.アルブミンもトランスサイレチンも栄養状態の指標として用いられるタンパク質です。アルブミンは、半減期が20日間と代謝回転速度が比較的長いため、長期間の栄養状態を反映する指標として用いられています。一方、トランスサイレチンは半減期が2日程と短いため、直近の栄養状態の指標として用いられています。
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03
1.(誤)
過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸の異化を促進(グリコーゲンや脂肪酸に変換)します。
2.(誤)
ロイシンは、体たんぱく質の合成を促進します。
ロイシンは、タンパク質の生成、分解を調整することによって筋肉の維持に関与すると言われています。
3.(誤)
インスリンは、(筋肉組織での)体たんぱく質の合成を抑制します。
4.(正)
絶食時には、体たんぱく質を分解してエネルギー源を供給する為、体たんぱく質の合成が抑制されます。
5.(誤)
アルブミンは、トランスサイレチンより代謝回転速度が遅いと言われています。
アルブミンの代謝回転速度は2~3週間、トランスサイレチンの代謝回転速度は3~4日であると言われています。
代謝回転(ターンオーバー)とは、生物を構成している細胞や組織が生体分子を合成し、一方で分解していく事で、新旧の分子が入れ替わりつつバランスを保つ動的平衡状態のことです。
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