管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問73
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問題
第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問73 (訂正依頼・報告はこちら)
食品たんぱく質の評価に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- アミノ酸評点パターンは、食品中の不可欠アミノ酸量を示す。
- 生物価は、食品たんぱく質の化学的評価法の一つである。
- 制限アミノ酸がない食品のアミノ酸価は、100である。
- 無たんぱく質食の摂取時には、尿中に窒素は排泄されない。
- 摂取窒素量が排泄窒素量を上回ると、窒素出納は負になる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.(誤)
アミノ酸評点パターンは、ヒトのたんぱく質所要量とアミノ酸必要量から設定したものです。
食品中の不可欠アミノ酸量を示したものはアミノ酸スコアです。
2.(誤)
生物価は、食品たんぱく質の生物学的評価法の一つです。
食品たんぱく質の化学的評価法の一つにアミノ酸価があります。
3.(正)
制限アミノ酸がない食品のアミノ酸価は、100です。
制限アミノ酸とは、必要量に対して充足率の低いアミノ酸のことです。
アミノ酸価とは、ヒトの身体に必要なアミノ酸量を100としたとき、それぞれの食品に含まれるアミノ酸の量を示したものです。
4.(誤)
無たんぱく質食の摂取時においても、体たんぱく質が分解される為、尿中に窒素は排泄されます。
5.(誤)
摂取窒素量が排泄窒素量を上回ると、窒素出納は正になります。
窒素出納とは、窒素量からたんぱく質の摂取量と排泄量の差を推定する方法の事です。
摂取たんぱく質が不足し、体窒素の損失を補えないと、負となります。
成長期のように体たんぱく質の合成が分解を上回ると、正となります。
健常成人が十分量のたんぱく質を摂取している状態では、窒素平衡となります。
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02
1:誤
アミノ酸評点パターンは、身体に必要な不可欠アミノ酸の量を示します。
食品中の必須アミノ酸の含有率を表すのがアミノ酸スコアです。
アミノ酸スコアは、
(各食品の必須アミノ酸組成/アミノ酸評点パターン)×100で求められます。
2:誤
たんぱく質の生物価(BV)は吸収窒素量に対する体内保留窒素量の比率で、
(体内保留窒素/吸収窒素)×100で求められます。
たんぱく質利用効率(PER)、正味たんぱく質利用率(NPU)と共に
生物学的評価法のひとつです。
生物価は70以上で良質とされ、最も高いのは卵です。
3:正
制限アミノ酸がない食品にアミノ酸価は100です。
全卵、牛乳、牛肉、鯵などがアミノ酸価100の食品です。
4:誤
無たんぱく質を摂取していても、尿中や糞便中には窒素が排泄されます。
5:誤
窒素出納(Nバランス)は、健常者の場合は平衡になり、
窒素摂取量=窒素排泄量となります。
成長期の子どもや妊婦の場合は体たんぱく質が蓄積されるため正になり、
窒素摂取量>窒素排泄量となります。
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03
2.生物価は、正味たんぱく質利用率とともに体内に摂取したたんぱく質の生物学的評価法の1つです。「生物価=体内保留窒素/吸収窒素×100」で求められ、体内に吸収された窒素のうちどれだけの量が体内に保留されたのかを割合で示したものです。
3.正解です。アミノ酸価は、食品中のたんぱく質1g中に含まれる不可欠アミノ酸がアミノ酸評点パターンの値をどれくらい満たしているのかパーセンテージで示したものです。9種類の不可欠アミノ酸それぞれについて計算し、アミノ酸評点パターン未満しか含まれないものを制限アミノ酸といいます。制限アミノ酸の中で最もパーセンテージの低いものを第一制限アミノ酸といい、その数値がその食品のアミノ酸スコアになります。よって、制限アミノ酸がない食品のアミノ酸価は100となります。
4.無たんぱく質食を摂取し続けている場合でも、体内では体たんぱく質の異化が起こっているので尿中に窒素が排泄されなくなることはありません。
5.窒素出納は、摂取窒素量から排泄窒素量を引いて求めます。よって、摂取窒素量の方が多い場合の窒素出納は正になります。
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