管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問75

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問75 (訂正依頼・報告はこちら)

脂質の栄養に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 脂肪酸の利用が高まると、ビタミンB1の必要量が増加する。
  • パルミチン酸は、必須脂肪酸である。
  • エイコサペンタエン酸(EPA)は、リノール酸から合成される。
  • エイコサノイドは、アラキドン酸から合成される。
  • α-リノレン酸は、n-6系脂肪酸である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(4)

1.(誤)
脂肪酸の利用が高まると、ビタミンB1の必要量が減少します(脂質のビタミンB1節約作用)。
脂肪酸の利用が高まると、ビタミンB2の必要量が増加します。
ビタミンB1は、主にエネルギー産生栄養素の異化代謝の補酵素としての役割を持ちます。

2.(誤)
パルミチン酸は、必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)ではありません。
必須脂肪酸は、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸です。

3.(誤)
エイコサペンタエン酸(EPA)は、α-リノレン酸から合成されます。

4.(正)
エイコサノイドは、アラキドン酸から合成されます。
エイコサノイドとは、プロスタグランジン(PG)、プロスタサイクリン(PGI)、トロンボキサン(TX)、ロイコトリエン(LT)等の生理活性物質のことです。

5.(誤)
α-リノレン酸は、n-3系脂肪酸で、必須脂肪酸のひとつです。
n-3系脂肪酸は、α-リノレン酸の他にEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が挙げられます。
n-6系脂肪酸は、リノール酸、アラキドン酸が挙げられます。

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02

1.脂肪酸の利用が高まると必要量が増えるビタミンは、ビタミンB1ではなくビタミンB2です。脂肪酸は、β酸化を受けてアセチルCoAに変換されTCA回路に入り、エネルギーを生成します。このβ酸化の反応を触媒する酵素の一つがビタミンB2を補酵素として利用しているため、脂肪酸の利用にはビタミンB2が不可欠となります。


2.必須脂肪酸は体内で合成できないため食事から摂取する必要のある脂肪酸のことで、主にα-リノレン酸とリノール酸のことを指します。パルミチン酸は体内で合成できるため、必須脂肪酸ではありません。


3.エイコサペンタエン酸は、α-リノレン酸の前駆体です。リノール酸から合成される脂肪酸は、アラキドン酸です。


4.正解です。エイコサノイドとは、アラキドン酸やエイコサペンタエン酸などの必須脂肪酸を元にして生成される生理活性物質のことです。プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどがこれにあたります。


5.α-リノレン酸は、脂肪酸のメチル基から最も近い不飽和結合の位置が3番目にあることから、n-3系脂肪酸に分類されます。n-6系脂肪酸の代表的なものとして、リノール酸が挙げられます。

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03

正解は 4 です

1:誤
脂肪酸の利用が高まるとビタミンB2の必要量が増加します。
ビタミンB1は糖質の燃焼に不可欠なビタミンです。

2:誤
リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸が必須脂肪酸と呼ばれ、
体内で生成することができない脂肪酸です。
パルミチン酸は飽和脂肪酸のひとつで、一般的な動植物油脂に含まれる
長鎖脂肪酸です。

3:誤
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は
α-リノレン酸から合成されます。

4:正
トロンボキサンやロイコトリエン、プロスタグランジン等のエイコサノイドは
不飽和脂肪酸の代謝産物で、生体機能を調整するはたらきがあります。

5:誤
α-リノレン酸は、炭素数18、二重結合を3つ持つ
n-3系の多価不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸のひとつです。

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