管理栄養士の過去問
第34回
午前の部 問93

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午前の部 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

更年期女性の生理的変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 血中黄体形成ホルモン値は、低下する。
  • 血中プロゲステロン値は、低下する。
  • 血中エストロゲン値は、上昇する。
  • 血中LDLコレステロール値は、低下する。
  • 骨密度は、上昇する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(2)

1.(誤)
更年期女性において、血中黄体形成ホルモン値は、上昇するといわれています。
黄体形成ホルモンとは、脳下垂体の前葉から分泌されるホルモンです。
女性においては、卵巣に働きかけ、黄体形成や排卵誘起に関与します。

2.(正)
更年期女性において、血中プロゲステロン値は、低下するといわれています。
プロゲステロンとは、卵巣から分泌されるホルモンです。
子宮や乳腺に働きかけ、卵の着床、妊娠維持に関与します。

3.(誤)
更年期女性において、血中エストロゲン値は、低下するといわれています。
エストロゲンとは、一般的に女性ホルモンと呼ばれるホルモンです。
女性においては、卵巣、胎盤及び副腎皮質から分泌されます。

4.(誤)
更年期女性において、血中LDLコレステロール値は、上昇しやすいといわれています。
更年期の女性は、エストロゲンの分泌が低下する場合が多く、エストロゲンの作用の一つである、血中LDLコレステロール値の減少作用が弱まる為、血中LDLコレステロール値上昇しやすくなります。

5.(誤)
更年期女性において、骨密度は、低下しやすいといわれています。
更年期の女性は、エストロゲンの分泌が低下する場合が多く、エストロゲンは、その作用の一つに骨形成を進め、また骨吸収を抑える働きがあります。
この為、骨密度が低下しやすくなります。

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02

正解は 2 です

1:誤
更年期にはエストロゲン、プロゲステロンの分泌が低下して
ゴナドトロピン放出ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンの
分泌は増加します。
黄体形成ホルモンはエストロゲンの分泌がピークに達したときに
フィードバックによって脳下垂体前葉から分泌されるホルモンです。
これをLHサージといい、この刺激によって排卵が起こります。

2:正
更年期にはプロゲステロンの分泌が低下します。
プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれる女性ホルモンのひとつです。
胎盤から分泌され、排卵を抑制して妊娠を維持するはたらきがあります。
年齢とともに減少するホルモンです。

3:誤
更年期にはエストロゲンの分泌が低下します。

4:誤
エストロゲンには血管の弾力性を保つ作用に加え、肝臓の脂質代謝に影響する作用があり、HDLコレステロール値が低下、LDLコレステロール値は上昇します。

5:誤
更年期にはエストロゲンの分泌が減少します。
エストロゲンには骨代謝を促進して骨密度を維持する作用があるため、
更年期になると骨密度が低下します。

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03


1.黄体形成ホルモンは脳下垂体から分泌され、卵巣からの女性ホルモン分泌を促進させる働きがあります。視床下部や下垂体は血中の女性ホルモン濃度を感知し、フィードバックによりこの黄体形成ホルモンの分泌を調整しています。更年期では卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌が低下するため、黄体形成ホルモンの分泌は上昇します。


2. 正解です。更年期では卵巣機能が低下するため、卵巣から分泌されているプロゲステロンは低下します。


3.更年期では卵巣機能が低下するため、卵巣から分泌されているエストロゲンは低下します。


4.更年期では、血中LDLコレステロール値は上昇します。卵巣から分泌されているエストロゲンには、増えすぎたLDLコレステロールの肝臓への取り込みを進めて減少させ、HDLコレステロールを増やす働きがあります。よって更年期でエストロゲンが減少すると、血中のLDLコレステロールが増えやすくなります。


5.更年期では、骨密度は低下します。卵巣から分泌されているエストロゲンは、骨代謝に関わる破骨細胞の働きをコントロールしています。更年期でエストロゲンが減少すると、破骨細胞の働きが促進され骨代謝のバランスが崩れてしまうため、骨密度の低下が引き起こされます。

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