管理栄養士の過去問
第34回
午後の部 問98

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午後の部 問98 (訂正依頼・報告はこちら)

「牛乳は苦手だけど、明日から残さず飲もうと思います」と話す、小学生Aさんへの給食指導である。トランスセオレティカルモデルに基づいた指導として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 牛乳に含まれる主な栄養素について説明する。
  • 牛乳を残さず飲めるようになったら、家族がどう思うかを考えさせる。
  • 牛乳を飲むと、体にどのような影響が出るかを考えさせる。
  • 牛乳を残した日は、好きなゲームを我慢すると決めるように勧める。
  • 牛乳を残さず飲むことを、担任の先生と約束するように勧める。

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この過去問の解説 (3件)

01

トランスセオレティカルモデル(行動変容段階モデル)とは、指導の対象者にどのくらい行動を変化させる意思があるのか確認して、その段階に応じて指導を行う方法です。この段階は、前熟考(無関心)期、熟考(関心)期、準備期、実行期、維持期の5つに分けられます。

問題文の小学生Aさんは、明日にでも行動変容に向けた行動を起こす意思があるため、準備期にあることがわかります。この準備期において最も適当な指導は選択肢の5.となります。第三者に宣言することで周りのサポートが得られ、行動変容を起こしやすくなります。

選択肢の1.2.3.は牛乳を飲むこと対する考え方へ働きかけをしているため、準備期の前段階である無関心期や関心期に効果的であると考えられます。

選択肢の4.のように、行動できなかったときに罰を与えたり、逆に行動できたときにご褒美を与えるという方法は、行動変容を維持するための実行期から維持期への働きかけに効果的な方法の一つです。

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02

正答は(5)

トランスセオレティカルモデル(行動変容ステージモデル)とは、1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルです。
その後食事や運動をはじめ、いろいろな健康に関する行動について幅広く研究と実践が進められています。
行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通るとされています。
この問いの小学生Aさんの「牛乳は苦手だけど、明日から残さず飲もうと思います」との発言から「準備期」の段階であると判断されます。
よって、トランスセオレティカルモデルの「準備期」における最も適切な指導内容が正当であると考えられます。

1.(誤)
牛乳に含まれる主な栄養素について説明する事は、無関心期~関心期に効果的な指導内容であると考えられます。

2.(誤)
牛乳を残さず飲めるようになったら、家族がどう思うかを考えさせる事は、無関心期~関心期に効果的な指導内容であると考えられます。

3.(誤)
牛乳を飲むと、体にどのような影響が出るかを考えさせる事は、無関心期~関心期に効果的な指導内容であると考えられます。

4.(誤)
牛乳を残した日は、好きなゲームを我慢すると決めるように勧める事は、実行期~維持期に効果的な指導内容であると考えられます。

5.(正)
牛乳を残さず飲むことを、担任の先生と約束するように勧める事は、準備期に効果的な指導内容であると考えられます。

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03

正解は 4 です

トランスセオレティカルモデルは行動変容段階モデルとも呼ばれる、
プロチャスカが提言したモデルです。
無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期の5段階に分けられ、
行動変容が起こる可能性は無関心期が最も小さく、維持期が最も大きいです。
無関心期や関心期が考え方へ働きかけているのに対して
実行期や維持期は行動へ働きかけています。

1:誤
牛乳に含まれる主な栄養素について説明することは、
無関心期~関心期への変容に有効です。

2:誤
牛乳を残さず飲めるようになったら家族がどう思うかを考えさせることは、
無関心期~関心期への変容に有効です。

3:誤
牛乳を飲むと体にどのような影響が出るかを考えさせることは、
無関心期~関心期への変容に有効です。

4:誤
牛乳を残した日は好きなゲームを我慢すると決めるように勧めることは、
実行期~維持期への変容に有効です。

5:正
牛乳を残さず飲むことを担任の先生と約束するように勧めることは
準備期~実行期への変容に有効です。

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