管理栄養士の過去問
第34回
午後の部 問127

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問題

第34回 管理栄養士国家試験 午後の部 問127 (訂正依頼・報告はこちら)

うっ血性心不全が増悪した時の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 心胸郭比は、小さくなる。
  • 交感神経系は、抑制される。
  • 血漿BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値は、上昇する。
  • 水分摂取量は、50mL/kg標準体重/日とする。
  • 食塩摂取量は、8g/日とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3
1.心胸郭比(Cardio Thoracic Ratio:CTR)とは、胸郭横径に対する心横径の比率を百分率で表した指標です。心拡大の程度を知ることができます。うっ血性心不全は心機能の低下に伴い、心臓が何とか血液を送り出そうと調節(代償機転)し、心拡大します。
2.心拍出量の減少に伴い、神経体液性因子である交感神経系やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が活性化され、心拍出量を増加、血圧を維持しようとします。
3.○
血漿BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)とは、心臓から分泌されるホルモンで、心臓に対して負荷が大きいほど、血漿BNPが増加します。心不全の重症度の指標の1つです。
4.希釈性の低ナトリウム血症がある場合、1日500-1000mlの制限が必要となります。
5.慢性心不全患者の減塩目標は食塩1日6g未満にしますが、過度の減塩が食欲を低下させ栄養不良の原因となる場合があります。適宜調節が必要です。

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02

1:×
うっ血性心不全が増悪すると、心胸郭比は、大きくなります。

2:×
心不全によって低下した血圧や心拍出量を維持しようとするため、交感神経系の働きは亢進します。

3:〇
血漿BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)濃度は、心不全の重症度の指標の一つであり、心不全では濃度が上昇します。

4:×
心不全患者は水分制限が原則です。
前日の尿量を参考に水分摂取量を算出します。

5:×
心不全患者は食塩制限が原則です。
増悪した時の栄養管理についてなので、食塩摂取量8g/日は過剰だと判断できます。

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03

1.心胸郭比とは、胸全体の大きさに対する心臓の占める割合のことで、うっ血性心不全になると、水分が貯まりやすくなり、心筋が大きくなりやすい傾向にあることから、心胸郭比は、大きくなります。

2.交感神経系は、促進されます。
これは、心拍出量低下によりみられる血圧低下を正常な状態に戻そうとするために起こります。

3.血漿BNPには、尿と一緒にナトリウムが体外に出ていくよう働きかける作用があります。
うっ血性心不全では、心臓に負担がかかっている状態であるため、血漿BNPは上昇し、ナトリウムの排泄が促進されます。
よって、正しい答えです。

4.うっ血性心不全では、体内に水分が貯まりやすい状態となるため、食事等で摂る水分量を厳しく制限する必要があります。
水分摂取量は、1日当たり1000mL以下までとします。

5.食塩摂取量は、1日当たり6g未満とします。

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