管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問79
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問題
第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問79 (訂正依頼・報告はこちら)
体水分に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 体重1kg当たりの水分量は、体脂肪率が高い者の方が低い者より多い。
- 成人の体水分の分布は、細胞内液よりも細胞外液の方が多い。
- 栄養素1g当たりの代謝水は、脂質が最も多い。
- 不可避尿量は、飲水量に影響される。
- 水分必要量は、不可避尿量と等しい。
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この過去問の解説 (3件)
01
脂肪組織は水分量が低いため、体脂肪が多いと水分量は低くなります。
2. 成人の体水分の分布は、細胞外液よりも細胞内液の方が多いです。
また体液は体重の約60%を占めていますので、体重50kgの人だと体液量は30Lということになり、その2/3(20L)は細胞内液として、残りの1/3(10L)は細胞外液として存在しています。
3.正答
三大栄養素1g当たりの代謝水は、脂質>糖質>たんぱく質であると言われています。
4. 不可避尿量は、飲水量に影響されません。
不可避尿:水を1滴も飲まなくても、尿として排泄されるものとされています。
(成人の場合500㎖)
5.水分必要量は、不可避尿量よりも多くなります。
不可避尿は水分を摂取しなくても排泄されるため、それより多くの水分を必要とします。
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02
正答は(3)
1.(誤)
体重1kg当たりの水分量は、体脂肪率が高い者の方が低い者より少ないとされています。
2.(誤)
成人の体水分の分布は、細胞内液よりも細胞外液の方が少ないとされています。
体内の水分量は、成人では体重の約60%(細胞内液:40%、細胞外液:20%)であると言われています。
3.(正)
栄養素1g当たりの代謝水は、脂質が最も多いとされています。
代謝水とは、栄養素が体内で燃焼されるときに発生する水の事をさします。
三大栄養素1g当たりの代謝水は、糖質(0.56 ml)、脂質(1.07 ml)、たんぱく質(0.41 ml)であると言われています。
4.(誤)
不可避尿量は、飲水量の影響をうけません。
不可避尿とは、体内で生じる老廃物などを排泄するために必要な最小限の尿のことをさします。
その量は、約500 mlであると言われています。
5.(誤)
水分必要量は、不可避尿量よりも多くなります。
体内から排泄される水分には、尿、不感蒸泄、糞便中の水分等があり、これを上回る水分量が必要となります。
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03
生体にとって水は主要な構成成分です。
水分の代謝について理解しておきましょう。
体重1kg当たりの水分量は、体脂肪率が高い者の方が低い者より少ないです。
男性は体脂肪の割合が女性よりも少ない代わりに水分量が多く体重の60%前後であるのに対して、女性は50%前後です。
また、年齢に応じて水分量は変化し、新生児では体重の70~80%を占めています。
成人の体水分の分布は、細胞内液よりも細胞外液の方が少ないです。
水分は体重の約60%を占めていますが、そのうち約3分の2(体重の約40%)は細胞内液に、約3分の1(体重の約20%)は細胞外液に分布します。
正しいです。
代謝水とは栄養素が代謝され、エネルギーが産生される反応系で生じる水のことです。
栄養素ごとに生成する水分の量が異なり、
分子内に水素原子を多く含む脂質で最も多く1g当たり1.07g
ついで糖質0.6g、たんぱく質0.41g となっています。
不可避尿量は、飲水量に影響されません。
不可避尿とは体内で不要となった代謝産物を溶解して尿中へ排泄するために必要な尿のことであり、水分を摂取しなくても、生命活動を営む上で必ず一定量は排泄されます。
水分必要量は、不可避尿量より多くなります。
水分を摂取しなくても体外へ出る水分は不可避尿のほか、体表面から放出される水分である不感蒸泄があります。
不感蒸泄は皮膚から約500mlと呼気から約300mlです。
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