管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問80

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問題

第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問80 (訂正依頼・報告はこちら)

エネルギー消費量に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 基礎代謝量は、体脂肪率に比例する。
  • 安静時代謝量は、基礎代謝量より高い。
  • メッツ( METs )は、1日のエネルギー消費量を基礎代謝量の倍数で表したものである。
  • 身体活動レベル( PAL )は、身体活動の種類(歩く、走る等)ごとのエネルギー消費量を示す指標である。
  • 食事誘発性熱産生( DIT )は、1日のエネルギー消費量に含まれない。

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この過去問の解説 (3件)

01

エネルギーの問題は毎年頻出されます。
用語の意味をきちんと理解したうえで進めていきましょう。

1.基礎代謝量は筋肉量に比例します。

2.正答
安静時代謝量は、基礎代謝量より高いといわれます。
基礎代謝:生きていくための最低限必要な最小エネルギー代謝量
安静時代謝:仰臥位または座位で安静にしている状態で消費されるエネルギー代謝量
安静時の方がおよそ10~20%高いと言われてます。

3.メッツ(METs)は、 1 日のエネルギー消費量を安静時代謝量の倍数で表したものです。わかりやすく説明すると、安静時(静かに座っている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。

4.身体活動レベル(PAL)は、日常の身体活動を強度ごとに区分して表した値です。
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/required.html
詳しくは上記参照するとわかりやすいです。

5.食事誘発性熱産生(DIT)は、1日のエネルギー消費量に含まれます。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。

参考になった数13

02

正答は(2)

1.(誤)

基礎代謝量は、体脂肪率に比例しません。

基礎代謝とは、生命活動に最低限必要なエネルギーの事です。

一般的に筋肉量が多いと基礎代謝量が多いと言われています。

2.(正)

安静時代謝量は、基礎代謝量より高いとされています。

安静時代謝量は、基礎代謝量に比べ20%程高いと言われています。

3.(誤)

メッツ(METs)は、1日のエネルギー消費量を安静時代謝量の倍数で表したものです。

4.(誤)

身体活動レベル(PAL)は、日常の身体活動を強度ごとに区分して表した値です。

身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を1日あたりの基礎代謝量で割った指標です。

レベルⅠ(低い)、Ⅱ(ふつう)、Ⅲ(高い)の三段階に区分されています。

5.(誤)

食事誘発性熱産生(DIT)は、1日のエネルギー消費量に含まれます。

食事誘発性熱産生とは、食事をした後、安静にしていても代謝量が増大することをさします。

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03

エネルギー消費には、

各種身体活動に必要な運動エネルギー

細胞内分子の生合成に関与する化学エネルギー

神経伝達に関連した電気エネルギー

体温保持を行う熱エネルギー

などがあります。

選択肢1. 基礎代謝量は、体脂肪率に比例する。

基礎代謝量は、体表面積に比例します。

また、体組成(筋肉量)も基礎代謝に影響を及ぼし、

筋肉組織のエネルギー代謝活性は大きく、脂肪組織では小さくなります。

選択肢2. 安静時代謝量は、基礎代謝量より高い。

正しいです。

基礎代謝量は安静状態において生命を維持するのに必要な覚醒時の最小限のエネルギー量です。

安静時代謝量とは、静かに座って休息している状態で消費されるエネルギーです。

座位の姿勢であることから骨格筋の緊張による代謝量が上乗せされます。

選択肢3. メッツ( METs )は、1日のエネルギー消費量を基礎代謝量の倍数で表したものである。

メッツ( METs )は、1日のエネルギー消費量を安静時代謝量の倍数で表したものです。

エネルギー消費量の評価に用いられています。

1日のエネルギー消費量を基礎代謝量の倍数で表したものは身体活動レベル(PAL)です。

選択肢4. 身体活動レベル( PAL )は、身体活動の種類(歩く、走る等)ごとのエネルギー消費量を示す指標である。

身体活動レベル(PAL)は1日のエネルギー消費量を1日あたりの基礎代謝量で除した指数です。

身体活動レベル(PAL)はⅠ~Ⅲの3区分で簡易評価されています。

身体活動の種類(歩く、走る等)ごとのエネルギー消費量を示す指標はメッツ( METs )です。

選択肢5. 食事誘発性熱産生( DIT )は、1日のエネルギー消費量に含まれない。

食事誘発性熱産生( DIT )は、1日のエネルギー消費量に含まれます

食事誘発性体熱産生とは食物を摂取することに伴う消費エネルギーです。

生活活動に伴うエネルギー代謝量に含まれます。

DITによるエネルギーは運動エネルギーとしては利用されず、熱エネルギーとして体温の保持に役立ちます。

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