管理栄養士の過去問
第35回
午前の部 問91

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問題

第35回 管理栄養士国家試験 午前の部 問91 (訂正依頼・報告はこちら)

幼児期・学童期における栄養に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 最近10年間の学校保健統計調査では、小学生の肥満傾向児の出現率は2%未満である。
  • 最近10年間の学校保健統計調査では、小学生のう歯の者の割合は増加している。
  • カウプ指数による肥満判定基準は、男女で異なる。
  • 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、10~11歳の飽和脂肪酸のDGは、10%エネルギー以下である。
  • 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムのRDAは、6~7歳で最も多い。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(4)

1.(誤)

最近10年間の学校保健統計調査では、小学生の肥満傾向児の出現率は4~11%程度で推移しています。

学校保健調査は、学校における幼児、児童及び生徒の発育及び健康の状態を明らかにすることを目的とした調査です。

2.(誤)

最近10年間の学校保健統計調査では、小学生のう歯の者の割合は減少しています。

3.(誤)

カウプ指数による肥満判定基準は、男女ともに同じです。

カウプ指数は、主に乳幼児に対して使用されるボディマス指数です。

4.(正)

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、10~11歳の飽和脂肪酸のDGは、10%エネルギー以下であるとされています。

5.(誤)

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムのRDAは、12~14歳で最も多いとされています。

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02

幼児期・学童期における栄養について理解しておきましょう。

選択肢1. 最近10年間の学校保健統計調査では、小学生の肥満傾向児の出現率は2%未満である。

最近10年間の学校保健統計調査では、小学生の肥満傾向児の出現率は5〜10%です。

肥満度 = { (実測体重kg − 標準体重kg)/標準体重kg }×100 で求められます。

学校保健統計では肥満度が20%以上の者を肥満傾向児、−20%以下の者を痩身傾向児としています。

選択肢2. 最近10年間の学校保健統計調査では、小学生のう歯の者の割合は増加している。

最近10年間の学校保健統計調査では、小学生のう歯の者の割合は減少しています。

歯周病は12~14歳ですでに約40%が罹患しているため、その予防も重要なっています。

選択肢3. カウプ指数による肥満判定基準は、男女で異なる。

カウプ指数による肥満判定基準は、男女で同じです。

カウプ指数は乳幼児の発育評価に用いられます。

カウプ指数 = {体重(g)/身長(cm)2} × 10 で求められます。

生後3ヶ月以後の乳児では、

 15以下がやせ傾向

 16~18が正常

 18以上が肥満傾向

 20以上が肥満

と判定されます。

選択肢4. 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、10~11歳の飽和脂肪酸のDGは、10%エネルギー以下である。

正しいです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、若いうちから生活習慣病を予防するため、飽和脂肪酸の目標量(DG)が設定され、10~11歳の飽和脂肪酸のDGは、10%エネルギー以下となっています。

選択肢5. 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムのRDAは、6~7歳で最も多い。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムのRDAは、12~14歳で最も多いです。

要因加算法で求められ、12~14歳でのカルシウムの推奨量(RDE)は991mg/日となっています。

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03

〈学校保健統計調査〉
学校における幼児、児童及び生徒の発育、健康等の状態を明らかにすることを目的としています。 本調査は、幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校の幼児、児童及び生徒を対象に、毎年実施されます。

1.最近 10 年間の学校保健統計調査では、小学生の肥満傾向児の出現率はおよそ5~10%になります。
また、肥満傾向児の割合は、11 歳で約 10 %です。

2. 最近 10 年間の学校保健統計調査では、小学生のう歯の者の割合は減少しています。

3.カウプ指数による肥満判定基準は、男女で同じです。
 カウプ指数(かうぷしすう)とは、生後3か月から5歳までの乳幼児に対して、肥満や、やせなど発育の程度を表す指数です。成人で使用されるBMIと同じ計算法ですが判定基準が異なります。
カウプ指数 = 体重(kg) ÷ { 身長(cm) × 身長(cm) } × 10000
【判定基準】
カウプ指数の正常値はおおよそ15~19とされており、それ以上を肥満、以下をやせと判定しています。判定基準に男女差はありませんが、年齢により正常値に違いがあります。また乳幼児に個人差もあり、判定基準や正常範囲はあくまでも目安とされています。

4. 正答

5.日本人の食事摂取基準(2020 年版)では、カルシウムの RDA は、 12~14 歳でカルシウム体内蓄積量が最大になるため最も多いです。

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