管理栄養士の過去問 第35回 午後の部 問100
この過去問の解説 (4件)
正答は(2)
イノベーション普及理論とは、新しいアイデアや技術が社会になぜ普及したりしなかったりするか、どのように普及するかを説明しようとする理論であると言われています。
それに関わる条件としては以下が挙げられます。
比較優位性(これまでに存在する類似したものや同じ機能をも有するものよりも優位であるか)、適合性(ニーズに適しているか)、わかりやすさ(誰にも利用しやすいものか)、試用可能性(試してみることが可能であるか)、可観測性(周囲の人にも見てわかるかどうか)、複雑性(誰でも利用しやすいものであるか)が挙げられます。
1.(誤)
既存の商品よりナトリウムの低減割合が高いことをラベルに記載する事は、「比較優位性」にあたると思われます。
2.(正)
新商品を使った減塩教室を開催する事は、「試用可能性」にあたると思われます。
3.(誤)
減塩商品利用者のニーズから生まれた商品であることを宣伝する事は、「適合性」にあたると思われます。
4.(誤)
1回使用量の調整ができる新容器を採用する事は、「複雑性」にあたると思われます。
5.(誤)
モニターを募集し、新商品の感想をSNSで発信してもらう事は、「可観測性」にあたると思われます。
イノベーション普及理論とは、新しい商品やサービスの考え方が、社会に普及する過程を示す理論です。イノベーション普及に必要な条件は5つあります。
問題を見ていきましょう。
× 既存の商品よりナトリウムの低減割合が高いことをラベルに記載する。 ー 比較優位性
既存商品と比較した内容をラベルに記載しています。
〇 新商品を使った減塩教室を開催する ー 使用可能性
新商品を試してみることができます。
× 減塩商品利用者のニーズから生まれた商品であることを宣言する。 ー 適合性
ニーズに合っているかを宣伝しています。
× 1回使用量の調整ができる新容器を採用する。 ー 複雑性
わかりやすいことです。
× モニターを募集し、新商品の感想をSNSで発信してもらう。 ー 可観測性
SNS上での広がりを観測できます。
イノベーションの普及に必要な条件を覚えましょう。
新製品や新サービスの市場浸透に関する普及学の基礎理論で『新しい技術やアイデアが様々な社会を通じて他の社会に普及し、社会全体を変えていく過程』を理解するとともに普及させるための戦略を示した理論のモデルとなります。
簡単にいえば、新商品、新技術、アイデアなどなど、あらゆる新しいものを指し、イノベーションが登場したときに、それがどのように普及していくかのプロセスと要因を整理した理論ということです。
イノベーションの普及には、相対的優位性、適合性、わかりやすさ(複雑性)、試行可能性、可観測性の5つの条件が関係しています。
設問にあわせて確認していきましょう。
1. 既存の商品よりナトリウムの低減割合が高いことをラベルに記載する。—– 比較優位性
2.新商品を使った減塩教室を開催する。—– 試用可能性
つまり正答になります。
3. 減塩商品利用者のニーズから生まれた商品であることを宣伝する。—– 適合性
4. 1 回使用量の調整ができる新容器を採用する。—– 複雑性
5.モニターを募集し、新商品の感想を SNS で発信してもらう。—– 可観測性
イノベーション普及理論には5つの条件があります。
比較優位性
他の相手と比べてそれが優れているのか
適合性
相手のニーズに応えられているのか、これまで使ってきたものと併用・両立ができるのか
複雑性
わかりやすいのかどうか
試行可能性
試しに行うことはできるのかどうか
可観測性
実行した際に、周りからもそれを確認することができるのか
ラベルに記載するということは、他よりも優れていることを伝えているため、比較優位性となります。
新商品を実際に試すことはできるのかということを伝えているため、試用可能性となります。
ニーズから生まれた商品のため、使用者のニーズに応えられていることを伝えているため、適合性となります。
一回の使用量がどのくらいなのかわかりやすくしているため、複雑性となります。
実際に使用したモニターが、周りに発信を行っているため、可観測性となります。
イノベーション普及理論の5つの条件を覚えておきましょう。
比較優位性
適合性
複雑性
試行可能性
可観測性
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