管理栄養士の過去問
第35回
午後の部 問103
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問題
第35回 管理栄養士国家試験 午後の部 問103 (訂正依頼・報告はこちら)
菓子の摂取を減らすことが困難だと感じている女性社員に支援を行うことになった。行動変容技法の反応妨害・拮抗を活用した支援である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 菓子を1か月間控えることができた時のご褒美を考えるように勧める。
- 同僚からの菓子の差し入れを断る練習をするように勧める。
- 夕食後に菓子を食べたくなったら、シャワーを浴びるように勧める。
- 菓子を買いたくなった時は、栄養成分表示を見るように勧める。
- 菓子を食べ過ぎたら、翌日はやめようと考えればよいと勧める。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は(3)
行動変容技法の反応妨害・拮抗は、欲求を我慢する事、または別の何かに置き換える事により行動の頻度を調整する技法です。
1.(誤)
菓子を1か月間控えることができた時のご褒美を考えるように勧める事は、行動変容モデルにおける「オペラント強化」にあたると考えられます。
「オペラント強化」は、行動が生じた直後の環境を変化させる事により行動の頻度を調整する技法です。
2.(誤)
同僚からの菓子の差し入れを断る練習をするように勧める事は、行動変容モデルにおける「ソーシャルスキルトレーニング」にあたると考えられます。
「ソーシャルスキルトレーニング」は、社会生活の中で、円滑な人間関係を維持する技能を獲得し、それを活用する事により行動の頻度を調整する技法です。
3.(正)
夕食後に菓子を食べたくなったら、シャワーを浴びるように勧める事は、行動変容モデルにおける「反応妨害・拮抗」にあたると考えられます。
4.(誤)
菓子を買いたくなった時は、栄養成分表示を見るように勧める事は、行動変容モデルにおける「行動置換」に近いと思われます。
しかしながら、「行動置換」は、問題となる行動を変える事により行動の頻度を調整する技法である事から、「行動置換」と言い切れない部分もあります。
5.(誤)
菓子を食べ過ぎたら、翌日はやめようと考えればよいと勧めるは、行動変容モデルにおける「ストレスマネジメント」にあたると考えられます。
「ストレスマネジメント」は、行動変容に伴うストレスを軽減緩和し、前向きな気持ちを維持する事により行動の頻度を調整する技法です。
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02
行動変容技法における、「反応妨害・拮抗」は行動置換とセットで使われることが多く、両立しない健康的な行動を置き換えることで、不安な状態を軽減させるような問題のある行為をしないで済むように、トレーニングを行うことをいいます。
×(1)成功したときにご褒美を考えることは、オペラント強化法です。
×(2)菓子の差し入れを断る練習をすることは、社会技術訓練(ソーシャルスキルトレーニング)です。
◯(3)菓子を食べたくなったらシャワーを浴びるように勧めることは、両立しない行動に置き換えているため、正解です。
×(4)菓子を買いたくなったら栄養成分表示を見ることは、行動置換のようにも思われますが、両立しない(全く関係ない)行動に置き換えているわけではないため誤りであると考えられます。
×(5)翌日はやめようと考えることは、認知再構築法です。
認知再構築法は、健康行動を妨げる不都合な考え方を、望ましい合理的な考えに置き換える方法です。
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03
最も適当なのは、夕食後に菓子を食べたくなったら、シャワーを浴びるように勧める。です。
間違いです。
菓子を1か月間控えることができたので、褒美を考えるというのは、目標としていた行動ができたので直後の環境を変えて、さらに菓子を控えるという行動が継続できるよう調整するということに言い換えられます。
これはオペラント強化に該当します。
間違いです。
同僚からの菓子の差し入れを断る練習をするというのは、社会生活を送るうえで、人間関係を確立し、たとえ勧められたことを断ったとしても、その関係が悪くならないよう維持できる訓練だと考えられます。
これはソーシャルスキルトレーニングに該当します。
正しい答えです。
菓子を食べながらシャワーを浴びることはできません。
反応妨害・拮抗とは、菓子を食べたいという欲求を我慢したり、もしくは同時にすることができない行動をしようとする方法のことをいいます。
間違いです。
栄養成分表示を見る=刺激を変えることで、菓子を買う頻度を少なくしてみる=菓子を買う行動を抑えるという方法なので、これは刺激統制に該当します。
間違いです。
菓子を食べすぎたので、翌日の行動を改めるようにするというのは、
食べ過ぎた=不適切な行動をしてしまった、
だから翌日からはこうしよう=考えを改める
ということです。
これは、認知再構成に該当します。
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