管理栄養士の過去問
第35回
午後の部 問147

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第35回 管理栄養士国家試験 午後の部 問147 (訂正依頼・報告はこちら)

食事調査法に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 食事記録法において、目安量法は秤量法に比べて摂取量推定の誤差が小さい。
  • 食事記録法は、食物摂取頻度調査法に比べて個人の記憶に依存する。
  • 食物摂取頻度調査法は、24時間食事思い出し法に比べて調査者の負担が大きい。
  • 半定量食物摂取頻度調査法の質問票の開発では、妥当性の検討が必要である。
  • 陰膳法は、習慣的な摂取量を把握することに適している。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正答は(4)

1.(誤)

食事記録法において、目安量法は秤量法に比べて摂取量推定の誤差が大きいとされています。

目安量法は記録者の目安に頼る方法であり、やや客観性に欠ける方法であると思われます。

一方で秤量法は実際に摂取したものを秤量する為客観性が高い方法であり、摂取量推定の誤差も小さい方法であると思われます。

2.(誤)

食事記録法は、食物摂取頻度調査法に比べて個人の記憶に依存しにくいとされています。

食物摂取頻度調査法は、一般的に長期に及ぶ食物摂取頻度を調査する場合が多く、個人の記憶に依存しやすい調査法であると思われます。

3.(誤)

食物摂取頻度調査法は、24時間食事思い出し法に比べて調査者の負担が小さいとされています。

食物摂取頻度調査法は一般的には、調査者が直接聞き取る場合が少ないとされています。

一方で、24時間食事思い出し法は、調査者が直接対象者に聞き取りを行う場合が多く負担は大きいと思われます。

4.(正)

半定量食物摂取頻度調査法の質問票の開発では、妥当性の検討が必要であるとされています。

半定量食物摂取頻度調査法とは、食物の摂取頻度ならびに摂取量の両方についても質問している調査法です。

よって、その摂取量が摂取頻度と乖離がないか検討する必要があります。

5.(誤)

陰膳法は、習慣的な摂取量を把握することに適していないとされてます。

陰膳法は、実際に摂取したものと同じものを提出してもらい、評価する方法です。

対象者の負担が大きく長期間に及ぶ調査には適していないと思われます。

参考になった数7

02

正解は【4】です。

×(1)目安量法は摂取量が推定によるため、秤量法よりも誤差が生じやすい特徴があります。

×(2)食物摂取頻度調査法は、個人の記憶に依存する特徴があります。

×(3)食事摂取頻度調査法は、調査者の負担は少ないため誤りです。

×(5)陰膳法は、実施・分析に時間を要します。そのため習慣的な摂取量を把握することに向かないため誤りです。

参考になった数3

03

食事調査法に関する問題は、おそらく毎年出題されているかと思います。

調査法の種類が複数あるため、それらの特徴を覚えておく必要があります。

選択肢1. 食事記録法において、目安量法は秤量法に比べて摂取量推定の誤差が小さい。

間違いです。

目安量法は、対象者が記録した食品の目安量を重量換算しなければなりません。

そのため、食品を実測する秤量法と比較すると、誤差が大きいです。

選択肢2. 食事記録法は、食物摂取頻度調査法に比べて個人の記憶に依存する。

間違いです。

食事記録法は、食品を摂取しているときに記録する調査法です。

そのため、対象者の記憶に依存するのは低いといえます。

食物摂取頻度調査法は、反対に、一定期間の食品摂取状況を思い出しながら記録するため、対象者の記憶に依存しているといえます。

選択肢3. 食物摂取頻度調査法は、24時間食事思い出し法に比べて調査者の負担が大きい。

間違いです。

食物摂取頻度調査法は、一定期間の食品摂取状況を食品リスト等を使用し対象者へ尋ねる方法です。

得られた情報をパソコン等で処理する場合もあることから、対象者にかかる負担は24時間食事思い出し法と比較すると小さいです。

選択肢4. 半定量食物摂取頻度調査法の質問票の開発では、妥当性の検討が必要である。

正しい答えです。

ここでいう妥当性とは、質問票により推定された食品摂取量が、真の摂取量にどの程度一致するかを指します。

この妥当性を検討するためには、複数の対象日数における食事記録法や生体指標と比較し、一致しているか、また相関性を評価します。

選択肢5. 陰膳法は、習慣的な摂取量を把握することに適している。

間違いです。

陰膳法とは、対象者が摂取した食品と同一の食品を化学的に分析する方法です。

そのため、対象者にかかる負担は大きく、また複数の日数を調査することに向いていないため、習慣的な摂取量の把握には不向きといえます。

参考になった数1