管理栄養士の過去問 第35回 午後の部 問158
この過去問の解説 (4件)
経営では、売上数を増やして売上高を上げるほど、利益がたくさん得られます。
逆に、売上数が減って売上高が下がり、総費用(=固定費+変動費)より下回ってしまうと、損失になってしまいます。
売上高と総費用の額が同じだと、利益も損失もない“収支ゼロ”となります。
これらの関係をグラフに描くと、利益も損失もない条件を1点で示すことができます。これは損益分岐点と呼ばれ、経営状態の評価に用いられます。
損益分岐点が下がるということは、利益が得られやすくなることを意味し、
そのためには、①固定費を下げる ②変動費を下げる ③売上高をあげる 必要があります。
1.(誤)
食材料費の高騰により、変動費が上昇するため、損益分岐点は高くなります。
2.(誤)
パートタイム調理従事者の時給の上昇により、変動費が上昇するため、損益分岐点は高くなります。
3.(誤)
正社員調理従事者の増員により、固定費が上昇するため、損益分岐点は高くなります。
4.(誤)
食堂利用者数の減少により、売上高が下降するので、損益分岐点は高くなります。
5.(正)
売れ残り食数が減少すると、売上高が上昇するため、損益分岐点は低くなります。
《損益分岐点》
売上高、変動費、固定費をいくらにするかを検討することで、経営状態を把握したり、収益を見込んだりします。
売上高と原価から、固定費、変動費の内容を把握・分析し、損益分岐点が低くなるよう
管理します。
※損益分岐点=固定費÷(1-変動費÷売上高)
《固定費》
●概要…売上の増減にかかわらず固定して発生する諸費用
売上がなくても発生します
●具体例…施設・設備等の減価償却費、正職員の人件費、水道、光熱費の基本料金、管理費(賃貸料)など
《変動費》
●概要…売上の増減に応じて変動する諸費用
売上がなければ発生しません
●具体例…食材料費、非常勤職員、パートの人件費、基本料金以外の水道・光熱費、消耗品費など
1 .食材料費の高騰
→(誤)損益分岐点が高くなる方に働きます
2 .パートタイム調理従事者の時給の上昇
→(誤)変動費を増加させることにより損益分岐点が高くなる方に働きます
3 .正社員調理従事者の増員
→(誤)固定費を増加させることにより、損益分岐点が高くなる方に働きます
4 .食堂利用者数の減少
→(誤)売上高の低下により、損益分岐点が高くなる方に働きます
5 .売れ残り食数の減少
→(正)
正解は【5】です
損益分岐点とは、売上と総原価が等しく、利益も損失もない状態のことです。
委託の契約方法には、食単価契約と管理費契約とがあります。
食単価契約とは、食単価(販売価格)で契約し、受託側は販売食数分が売上金となります。
管理費契約とは、管理費(食材料以外の費用)を一定金額として委託側が支払って、食材量費は販売価格に含まれるため、利用者が支払うシステムとなります。
1.×
食材料費の高騰は、損益分岐点の増加につながります。
2.×
パートタイム調理従事者の時給の上昇は、変動費の増加につながるので、損益分岐点は増加します。
3.×
正社員調理従事者の増員は、固定費の増加につながるので、損益分岐点は増加します。
4.×
食道利用者数の減少は、売れ残り食数が増加するので、不適切です。
5.〇
食単価契約なので、売れ残り食数が減少すればするほど、損益分岐点は低下します。
*損益分岐点→売上高と経費が同じで、利益がゼロになる採算点のことです。
これを超えると利益が上がり、これを下回ると損失が出ます。
つまり、
「損益分岐点高いほど利益を出すのが難しくなり、低いほど利益が出やすい」
ということになります。
損益分岐点を下げるには、
①売り上げを上げる
②固定費・変動費をを削減する
という方法があります。
1.(誤)
食材料費の高騰により「変動費が上昇」のため、損益分岐点は高くなります。
2.(誤)
パートタイム調理従事者の時給の上昇は「変動費の上昇」のため、損益分岐点は高くなります。
3.(誤)
正社員調理従事者の増員は「固定費の上昇」のため、損益分岐点は高くなります。
4.(誤)
食堂利用者数の減少は「売上高の減少」のため、損益分岐点は高くなります。
5.(正)
売れ残り食数の減少は「売上高の上昇」のため、損益分岐点は低くなります。
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