管理栄養士の過去問
第35回
午後の部 問175
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問題
第35回 管理栄養士国家試験 午後の部 問175 (訂正依頼・報告はこちら)
K病院に勤務する管理栄養士である。緊急入院した患者の栄養管理計画を作成している。患者は、65歳、男性。独居、60歳で定年後無職である。普段は1日に市販弁当1個程度しか摂っておらず、1週間前からは体調不良もあり、食事はほとんど摂れていなかった。ベッドに横になっているところを、訪問した民生委員に発見された。半年前の体重は58kgであった。身長172cm、体重50kg、BMI16.9kg/m2、血圧96/58mmHg、心拍数94回/分。空腹時血液検査値は、赤血球数380 × 104/μL、ヘモグロビン9.2g/dL、ヘマトクリット38%、アルブミン3.3g/dL、血糖81mg/dL、総コレステロール90mg/dL、トリグリセリド45mg/dL、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン0.45mg/dL。明らかな浮腫、腹水、神経学的な異常は認められなかった。
入院時、患者は意識レベルが低く、静脈栄養によって栄養補給を行うことになった。投与開始時のエネルギー量である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
入院時、患者は意識レベルが低く、静脈栄養によって栄養補給を行うことになった。投与開始時のエネルギー量である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 2,000kcal/日
- 1,500kcal/日
- 1,000kcal/日
- 500kcal/日
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は4です。
「1 週間前からは体調不良もあり、食事はほとんど摂れていなかった」ことから、慢性的な栄養不良状態が続いて高度の低栄養状態であるといえます。リフィーディング症候群防止のため、急な高カロリー輸液の投与は避けなければなりません。
500kcal/日程度から初めて、徐々にエネルギー量を増やしていくことが、最も適切であると考えられます。
よって正解は(4)500kcal/日となります。
★リフィーディング症候群・・・慢性的な栄養不良状態が続いて高度の低栄養状態である患者さんに対し、いきなり十分量の栄養を投与すると、糖質代謝に不可欠なビタミンB1不足状態であるため欠乏症を示し、体液や電解質が細胞外から細胞内へ急速に移行して、水・電解質異常(低リン血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症)や意識障害を引き起こしてしまう一連の代謝合併症の総称をいいます。
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02
正解は【4】です
投与開始時のエネルギー量は、リフィーディング症候群に注意する必要があります。
リフィーディング症候群とは、慢性的な栄養不良状態の患者に対し、急激な栄養補給を行うことで発症する一連の代謝合併症の総称です。
リフィーディング症候群予防のため、最もエネルギー量が少ない「4.500kcal/日」が適切です。
1.×
2.×
3.×
4.〇
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03
慢性的な栄養不良状態が続き高度の低栄養状態にある者に、いきなり十分量の栄養補給を行うことにより、低リン血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症や、意識障害を引き起こすことがあります。
これを「リフィーディングシンドローム」と呼びます。
この問題文の患者も、意識レベルが低く高度の低栄養状態です。
そのため、リフィーディングシンドロームを防ぐためにも、最初は低エネルギーの投与から始め、徐々にエネルギー量を増やすことが求められます。
よって正解は(4)500kcal/日となります。
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