管理栄養士の過去問
第35回
午後の部 問176
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問題
第35回 管理栄養士国家試験 午後の部 問176 (訂正依頼・報告はこちら)
K病院に勤務する管理栄養士である。緊急入院した患者の栄養管理計画を作成している。患者は、65歳、男性。独居、60歳で定年後無職である。普段は1日に市販弁当1個程度しか摂っておらず、1週間前からは体調不良もあり、食事はほとんど摂れていなかった。ベッドに横になっているところを、訪問した民生委員に発見された。半年前の体重は58kgであった。身長172cm、体重50kg、BMI16.9kg/m2、血圧96/58mmHg、心拍数94回/分。空腹時血液検査値は、赤血球数380 × 104/μL、ヘモグロビン9.2g/dL、ヘマトクリット38%、アルブミン3.3g/dL、血糖81mg/dL、総コレステロール90mg/dL、トリグリセリド45mg/dL、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン0.45mg/dL。明らかな浮腫、腹水、神経学的な異常は認められなかった。
1か月後、体重は53kg、ヘモグロビン10.2g/dL、アルブミン3.5g/dLまで回復し、1日3食摂る意思が確認できたので、退院することになった。退院後の食事に関して、患者と相談して決めた目標である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1か月後、体重は53kg、ヘモグロビン10.2g/dL、アルブミン3.5g/dLまで回復し、1日3食摂る意思が確認できたので、退院することになった。退院後の食事に関して、患者と相談して決めた目標である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 卵、大豆製品、魚、肉のおかずを食べる。
- 野菜、きのこ、海藻、いものおかずを食べる。
- 果物を食べる。
- 水やお茶などの水分を控える。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.(正)
アルブミン値は回復したとはいえ、基準値「3.8mg/dl~5.3mg/dl」の範囲内にはなく、まだ低栄養状態にあると言えます。
つまり、たんぱく質を積極的にとることが必要です。
2.(誤)
野菜、きのこ、海藻、いも等の食物繊維の多い食材はエネルギー量が少ないことが多く、効率的なエネルギー摂取の緊急度が高い低栄養患者には、最優先される事項ではありません。
3.(誤)
果物も同様に、一回で摂取できるエネルギー量が少ないため、摂取の目標としては適していません。
4.(誤)
脱水を防ぐために、水やお茶は積極的に摂取する必要があります。
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02
正解は【1】です
1.〇
体重も増加し、ヘモグロビン、アルブミンの値も増えてきているので、しっかりとたんぱく質を毎食取り入れていく必要があります。
2.×
もちろん、野菜やきのこ、海藻などを食べることも重要ですが、まずは、しっかりとエネルギーのある食材を取り入れる必要があります。
3.×
果物よりも、たんぱく源の食材を取り入れることが重要です。
4.×
水分を控える必要はありません。
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03
正答は1です。
アルブミン値は回復したとはいえ、基準である「3.8g/dl~5.3g/dl」の範囲内にはなく、まだ低栄養状態にあるため、エネルギーやたんぱく質の摂取が最優先事項となります。
1.(正)
たんぱく質は積極的に摂取する必要があるため適切です。
2.(誤)
食物繊維を多く含む野菜、きのこ、海藻、いも等の食材の摂取は、低栄養患者にとっての最優先事項ではないため、不適切です。
3.(誤)
果物は一回で摂取できるエネルギー量やたんぱく質量が少ないため、不適切です。
4.(誤)
腎機能の低下は見られないことから、水分制限は必要ないと考えられます。
むしろ脱水を防ぐために、水分は積極的に摂取する必要があります。
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