管理栄養士の過去問
第35回
午後の部 問198
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問題
第35回 管理栄養士国家試験 午後の部 問198 (訂正依頼・報告はこちら)
K町に勤務する管理栄養士である。豪雨によりK町の4分の1が浸水し、道路の一部が寸断され、住民約100名が公民館に避難している。この避難所の栄養管理を担当することとなった。公民館には、小さな家庭用のシンクが2か所、プロパンガスの家庭用コンロが2つ設置されている。
避難所開設5日目、避難住民のうち、義歯の状態が悪く咀嚼機能が低下している住民10名に提供する昼食の献立である。昼食には缶入りお茶を配布している。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
避難所開設5日目、避難住民のうち、義歯の状態が悪く咀嚼機能が低下している住民10名に提供する昼食の献立である。昼食には缶入りお茶を配布している。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- アルファ化米、イワシの味付け缶、きゅうりとプチトマト
- アルファ化米、牛すき焼き缶、きんぴらごぼう缶
- レトルト粥、サバの味噌煮缶、レトルトさつま芋レモン煮
- レトルト粥、焼き鳥缶、ホールコーン缶とドレッシングパック
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は(3)
義歯の状態が悪く咀嚼機能が低下している住民に対する食事のため、なるべく咀嚼が必要でない食事を提供する必要があります。
1.(誤)
・アルファ化米△(炊飯などの加水加熱によって米の澱粉をアルファ化させたのち、乾燥処理によってその糊化の状態を固定させた乾燥米飯で、加水により通常の飯のようになるのであまり適していません)
・イワシの味付け缶〇
・きゅうりとプチトマト×(きゅうりやプチトマトは比較的硬いため適していません)
2.(誤)
・アルファ化米△
・牛すき焼き缶×(牛は噛み切りにくいため適していません)
・きんぴらごぼう缶×(ごぼうは背に質が多く咀嚼が難しいため適していません)
3.(正)
・レトルト粥〇
・サバの味噌煮缶〇(缶詰の魚は柔らかく、ほぐして食べやすいです)
・レトルトさつま芋レモン煮〇(レモン煮は柔らかいためつぶして食べることもできます)
4.(誤)
・レトルト粥〇
・焼き鳥缶×(鳥は歯ごたえがあるため咀嚼しにくく適していません)
・ホールコーン缶とドレッシングパック(ホールコーンの粒は義歯に挟まりやすいことと、咀嚼が不十分なまま飲み込むと誤嚥の危険性があるため適していません)
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02
正答は3です。
義歯の状態が悪いので、歯がなくても摂取が可能な食事を提供する必要があります。
咀嚼しなくても食べられるものが望ましいです。
1.(誤)
きゅうり、プチトマトは噛まずに飲み込むことが困難なため、咀嚼機能が低下している者には適していません。プチトマトは湯剥きや切れ目を入れるなどの調理の工夫で摂取可能となりますが、手間がかかります。
アルファ化米については加える湯の調整で摂取可能となります。またイワシの味付け缶は潰せば食べやすくなります。
アルファ化米
炊飯などの加水加熱によって米の澱粉をアルファ化させたのち、乾燥処理によってその糊化の状態を固定させた乾燥米飯のことをいいます。加える湯の量を調整することで、軟飯やお粥状に仕上げることも可能となります。
2.(誤)
ごぼうは繊維質が多く咀嚼が難しいため、咀嚼機能が低下している方には適していません。
牛すき焼き缶の牛肉も、噛み切る動作を要する食品なので、あまり適していません。
3.(正)
レトルト粥は咀嚼機能が低下していても摂取可能な食品です。サバの味噌煮缶はほぐせば食べやすくなり、レトルトさつま芋レモン煮は軟らかく、潰して食べることもできます。
4.(誤)
レトルト粥は咀嚼機能が低下していても摂取可能な食品ですが、焼き鳥缶の鶏肉やホールコーンの粒は、歯でしっかり噛めないと食べにくい食品です。咀嚼機能が低下している方にはあまり適していません。
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03
正解は【3】です
1.×
咀嚼機能が低下している住民に対し、きゅうりはとてもかみ砕きにくいので不適切です。
2.×
咀嚼機能が低下している住民に対し、きんぴらごぼうなどの根菜類は、咀嚼しにくいので不適切です。
3.〇
レトルトの御粥、味噌煮やレモン煮などは、柔らかく煮てあるので、咀嚼機能が低下している住民にとって、最も咀嚼しやすいです。
4.×
ホールコーン缶などは、食材がぽろぽろしていて、非常に咀嚼・嚥下がしにくいです。
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