管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問4
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
ある年のA地域とB地域における人口および死亡の状況を示した(表)。A地域とB地域の比較として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 人口に占める0~39歳の割合は、A地域で高い。
- 人口に占める65歳以上の割合は、A地域で低い。
- 死亡数は、B地域で多い。
- 粗死亡率は、B地域で低い。
- 年齢調整死亡率は、B地域で高い。
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この過去問の解説 (4件)
01
正答は【4】です。
人口情態統計(国勢調査)と人口動態統計についても、よく復習をしましょう。
人口情態統計は、ある一時点での人口の規模や構成を表します。一方、人口動態統計は、一定期間内に発生した人口の変動を示し、出生率、死亡率、乳児死亡率、再生産率、婚姻率などを算出します。
1.×
人口に占める0~39歳の割合を求める計算式は、「0~39歳年齢階級別人口値÷地域全体の年齢階級別人口合計値」です。
A地域:200÷1,000=0.2
B地域:300÷1,000=0.3
となるので、B地域で高くなります。
2.×
人口に占める65歳以上の割合を求める計算式は、「65歳以上年齢階級別人口値÷地域全体の年齢階級別人口合計値」です。
A地域:600÷1,000=0.6
B地域:400÷1,000=0.4
となるので、A地域で高くなります。
3.×
死亡数は、各地域の死亡数合計値を比較すれば良いので、A地域1,400人、B地域1,100人であるので、A地域で多いです。
4.〇
粗死亡率を求める計算式は、「死亡数÷年齢階級別人口×1,000」です。
A地域:1,400÷1,000,000×1,000=1.4
B地域:1,100÷1,000,000×1,000=1.1
となるので、B地域で低くなります。
5.×
年齢調整死亡率を求める計算式は、「基準集団における期待死亡数÷基準集団の年齢階級別人口」です。
A地域:80,000÷100,000,000
B地域:80,000÷100,000,000
となるので、A地域とB地域で等しくなります。
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02
✕1 .人口に占める0~39歳の割合は、A地域で高い。
→誤りです。
A地域の0~39歳の人数は200人、B地域の0~39歳の人数は300人なので
それぞれを1000人で割って、割合を求めます。
A地域:200/1,000=0.2=20%
B地域:300/1,000=0.3=30%
B地域で高い、が正解です。
✕2 .人口に占める65歳以上の割合は、A地域で低い。
→誤りです。
A地域の65歳以上の人数は600人、B地域の65歳以上の人数は400人なので
それぞれを1000人で割って、割合を求めます。
A地域:600/1,000=0.6=60%
B地域:400/1,000=0.4=40%
A地域で高い、が正解です。
✕3 .死亡数は、B地域で多い。
→誤りです。
計算をしなくても、表を確認すれば分かります。
B地域の死亡数は1,100、A地域は1,400と記載されています。
A地地域の方か多いです。
〇4 .粗死亡率は、B地域で低い。
→正解です。
A地域の合計死亡数は1,400、B地域の合計死亡数は1,100です。
それぞれを1000で割ることによって、粗死亡率が算出されます。
A地域:1,400/1,000=1.4
B地域:1,100/1,000=1.1
B地域で低い、が正解です。
✕5 .年齢調整死亡率は、B地域で高い。
→誤りです。
地域や時代の死亡率を比較するために租死亡率を利用すると
それぞれの集団の人口構成による違いに影響を受け、
比較したいところの比較ができにくくなってしまうため
人口による調整を行った、年齢調整死亡率を用います。
計算法には直接法と間接法がありますが、
今回は人口規模の大きい集団を対象としますので、直接法を用います。
年齢調整死亡率=
{観察集団の年齢階級死亡率×年齢階級別基準人口}の各年齢階級の合計
÷基準集団の総数×100,000(または1,000)
A地域の年齢調整死亡率=
(100/200,000×40,000,000)+(100/200,000×40,000,000)+(1,200/600,000×20,000,000)
÷100,000,000×100,000
=80
B地域の年齢調整死亡率=
(150/300,000×40,000,000)+(150/300,000×40,000,000)+(800/400,000×20,000,000)
÷100,000,000×100,000
=80
よって、A地域とB地域の年齢調整死亡率は同じ値になります。
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03
この問題は、AとB両地域の人口は、いずれも1,000(千人)であることを抑えて答えを出します。
【用語】
・粗死亡率とは、死亡数を人口で割ったもので、年齢調整をしていない死亡率のことです。
・年齢調整死亡率とは、年齢構成が異なる集団の間で死亡率を比較する場合や、同じ集団で年次推移をみるときに使用します。
✕ A地域の0~39歳は200(千人)、B地域の0~39歳は300(千人)です。
A地域、B地域共に人口は1,000(千人)なので単純に年齢階級別の人口数を見て解答します。
人口に占める0~39歳の割合は、A地域のほうが低いです。
✕ A地域の65歳以上は600(千人)、B地域の65歳以上は400(千人)です。
人口に占める65歳以上の割合は、A地域のほうが高いです。
✕ A地域の死亡数は1,400人、B地域の死亡数は1,100人です。
死亡数は、B地域のほうが少ないです。
〇 粗死亡率を計算する式は(死亡数/人口)×1,000です。
A地域は(1,400(人)/1,000(千人))×1,000
B地域は(1,100(人)/1,000(千人))×1,000
A地域とB地域の計算式上の違いは死亡数だけなので、死亡数をみて答えます。
B地域のほうが低いです。
✕ 年齢調整死亡率を計算する式は、(基準集団における期待死亡数合計/基準集団の人口合計)×1,000で表されます。
A地域もB地区も各基準集団における期待死亡人口合計は同じ80,000(人)のため、年齢調整死亡数は、A地域もB地域も同じ答えになります。
計算の方法や必要な用語などを覚えておくと、計算しなくても解答できる問題です。
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04
年齢調整死亡率=
{観察集団の年齢階級死亡率×年齢階級別基準人口}の各年齢階級の合計
÷基準集団の総数×100,000(または1,000)
A地域の200人、B地域の300人を全体の母数1000で割ります。
A地域:200/1,000=0.2
B地域:300/1,000=0.3
B地域の方が、0.3=30%と高いです。
65歳以上の人数はA地域で600人、B地域で400人なので母数の1000人で割ります。
A地域:600/1,000=0.6
B地域:400/1,000=0.4
そのため、A地域の方が高いです。
表より、それぞれの死亡数はA地域は1,400、B地域の1,100のため、A地域の方か多いです。
合計死亡数はA地域で1,400、B地域で1,100です。
それぞれを母数の1000で割ります。
A地域:1,400/1,000=1.4
B地域:1,100/1,000=1.1
B地域の方が低いです。
A地域の年齢調整死亡率=
(100/200,000×40,000,000)+(100/200,000×40,000,000)+(1,200/600,000×20,000,000)
÷100,000,000×100,000
=80
B地域の年齢調整死亡率=
(150/300,000×40,000,000)+(150/300,000×40,000,000)+(800/400,000×20,000,000)
÷100,000,000×100,000
=80
よって、A地域とB地域の年齢調整死亡率は同じ値になります。
計算法には直接法と間接法があり、どのような場合にどちらを使用するのか理解しておきましょう。
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