管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問33
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
内分泌疾患と血液検査所見の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- バセドウ病 ―――――――― 甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体の陽性
- 橋本病 ―――――――――― LDLコレステロール値の低下
- 原発性アルドステロン症 ―― レニン値の上昇
- クッシング症候群 ――――― カリウム値の上昇
- 褐色細胞腫 ―――――――― カテコールアミン値の低下
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は【1】です。
1.〇
バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン受容体抗体の陽性がみられる自己免疫疾患です。血中甲状腺ホルモン(T3、T4)は高値、TSHは低地を示します。甲状腺腫を伴っている場合が多く、眼球突出などが特徴です。
2.×
橋本病は、自己免疫疾患の一つで、30~50歳代の女性に後発します。LDLコレステロール値は「上昇」し、体重増加などがみられます。
3.×
原発性アルドステロン症は、慢性的な電解質コルチコイド過剰により、ナトリウムと水の蓄積による高血圧、低カリウム血漿、レニン値の「低下」、代謝性アルカローシスをきたします。
4.×
クッシング症候群は、糖質コルチコイドの過剰や、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌の過剰などが原因で生じます。タンパク質分解の促進により、手足は細くなり、脂肪の沈着により中心性肥満が出現します。満月様顔貌、バッファローハンプ(野牛肩)と呼ばれる症状があらわれます。
5.×
褐色細胞腫は、副腎髄質からのカテコールアミンの「過剰分泌」により生じます。主な症状としては、頻脈・顔面蒼白・冷や汗などがあらわれます。
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02
内分泌疾患の特徴、原因について確認しましょう。
正解です。
橋本病 ー-ーLDL コレステロール値の上昇
原発性アルドステロン症 ー-- レニン値の低下
クッシング症候群ーーーカリウム値の低下
褐色細胞腫ーー-カテコールアミン値の上昇
内分泌疾患の特徴、原因について確認しましょう。
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03
内分泌疾患とは、ホルモンが過剰になったり減ったりすることで起こります。
問題に出てくる甲状腺(過剰:バセドウ病、不足:橋本病、甲状腺腫瘍)、副腎(過剰:原発性アルドステロン症や褐色細胞腫、クッシング症候群、不足:副腎皮質機能低下症など)が代表的です。
では問題をみていきましょう。
〇 バセドウ病 ー 甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体の陽性
・甲状腺の濾胞細胞(血液の中からヨウ素を吸収して甲状腺ホルモンを合成、分泌する細胞)にはTSH受容体があります。
下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、この受容体と結びつき甲状腺ホルモン(T3、T4)をつくらせる働きがあります。
甲状腺に自己免疫反応が起こり、TSH受容体に対する自己抗体(抗TSH受容体抗体、TRAb)ができると(TSH受容体抗体の陽性)、このTRAbが、TSHのかわりにTSH受容体と結合して刺激するため、甲状腺ホルモンがどんどんつくられてしまいます。(バセドウ病)
× 橋本病 ー LDLコレステロール値の上昇
甲状腺ホルモンは、肝臓でLDL受容体の発現を増加させ、血中のLDLコレステロールを低下させる作用があります。
橋本病は甲状腺機能が低下する病気なので、LDLコレステロール値は上昇します。
× 原発性アルドステロン症は、レニンが低値にもかかわらず、副腎からアルドステロンが過剰分泌されることです。
× クッシング症候群 ー カリウム値の低下
糖質コルチゾールの過剰分泌によっておこる病態をクッシング症候群とよびます。
コルチゾールは過剰になると糖質コルチコイド受容体以外に電解質(鉱質)コルチコイド受容体とも結合が可能となり、尿中カリウム排泄が亢進するため低カリウム血症になります。
× 褐色細胞 ー カテコールアミンが大量に分泌されます。
褐色細胞は、カテコールアミン産生細胞が腫瘍化したものです。
カテコールアミンが大量に分泌されます。
内分泌疾患について、しっかりと復習しましょう。
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