管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問39
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問39 (訂正依頼・報告はこちら)
血液疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 再生不良性貧血では、造血幹細胞が増加している。
- 多発性骨髄腫では、低カルシウム血症が起こる。
- 悪性貧血は、エリスロポエチン産生低下によって起こる。
- 急性白血病では、出血傾向がみられる。
- 成人T細胞白血病は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって起こる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は【4】です。
1.×
再生不良性貧血は、造血幹細胞の「異常や減少」、あるいは自己免疫、放射線や薬物により幹細胞が障害されて生じます。若年者に多く、治療が困難な場合があります。
2.×
多発性骨髄腫では、「高カルシウム血症」が生じます。その他に、腎不全、貧血、骨病変などの症状が起こることもあります。
3.×
悪性貧血は、「ビタミンB12の欠乏」により生じます。
4.〇
急性白血病では、出血傾向がみられます。その他、貧血症状や発熱などの症状もみられます。
5.×
成人T細胞白血病は、幼少期に母乳を介して母親から感染したHTL-1(human T-lymphotropic virus type 1)のキャリアに10%の割合で発症します。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により起きるのは、後天性免疫不全症候群(AIDS)です。
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02
血液疾患(再生不良性貧血、多発性骨髄腫、悪性貧血、急性白血病、成人T細胞白血病)に関する記述です。
では、問題をみていきましょう。
× 再生不良性貧血では、造血幹細胞が減少しています。
再生不良性貧血は、骨髄中の造血幹細胞の異常により、白血球、赤血球、血小板が減少する疾患です。
骨髄中の造血幹細胞は減少し、造血能に乏しくなっています。
× 多発性骨髄腫では、高カルシウム血症が起こります。
多発性骨髄腫は、形質細胞がガン化して形質細胞腫瘍になり、役にたたない抗体(Mタンパク)をつくって体内や血液に蓄積することで、さまざまな状態を引き起こします。
骨の破壊によって起こる症状では、骨の代謝バランスが崩れて破骨細胞が活性化され、骨がもろくなります。さらに、骨が溶けて血液中のカルシウム濃度が高くなります。
× 悪性貧血は、ビタミン12の吸収障害によって起こります。
悪性貧血は、胃の壁細胞に自己免疫機能が働き、壁細胞が委縮して吸収に必要な内因子が分泌が低下します。その結果、ビタミンB12の吸収が障害され、赤血球をつくることができなくなり貧血になります。
〇 急性白血病では、出血傾向がみられます。
急性白血病は、正常な血液細胞が減少することにより症状が出現します。
具体的には貧血、感染症、血小板減少による出血傾向がみられます。
× 成人T細胞白血病は、ヒトT細胞白血病ウイルスー1型(HTLVー1)の感染によって発症する白血病です。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、エイズを発症させるウイルスです。
質問中の文章には、該当する血液疾患に関係があるものと、関係がないものが含まれています。正解を導くヒントになるでしょう。
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03
血液疾患の原因について確認しましょう。
再生不良性貧血では、造血幹細胞の減少します。
多発性骨髄腫では、高カルシウム血症が起こります。
腎性貧血は、エリスロポエチン産生低下によって起こります。
正解です。
成人 T 細胞白血病は、HTLV–1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)によって起こります。
血液疾患の原因について確認しましょう。
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