管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問40

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

免疫に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 消化管粘膜には、非特異的防御機構が認められる。
  • IgGによる免疫は、非特異的防御機構である。
  • IgAは、I型アレルギーに関与する。
  • IgMは、胎盤を通過する。
  • 血漿中に最も多く存在する抗体は、IgEである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は【1】です。

1.

非特異的防御機構とは、あらゆる微生物の体内への侵入を防ぎ、侵入を許した場合でも、最前線で防御するためのしくみのことです。皮膚や消化管・気道・尿路・生殖器などの表面は粘膜でおおわれており、非特異的防御機構が認められます。

2.×

IgGによる免疫は、非特異的防御機構ではなく、「特異的防御機構」です。

3.×

アレルギーに関与するのは、「IgE」です。

4.×

胎盤を通過することができるのは、「IgG」です。

胎盤を通過することができるため、母体のIgGが胎児に移行し、出生後の数か月間、乳児を感染から守ります。

5.×

血漿中に最も多く存在し、主力となる抗体は「IgG」です。

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02

免疫とは、カラダの外部からの侵入者である抗原、細菌、ウイルスなどに対して免疫細胞が自分と自分でないものを識別してカラダを防御する仕組みのことです。

免疫の大きな役割を担っている物質を免疫グロブリンといいます。

免疫グロブリン(Ig)は体液中にあって抗体としての機能を持つたんぱく質のことで、IgG、IgM、IgA、IgD 、IgEの5種類があります。

①IgG…血液中に最も多く含まれる免疫グロブリンです。抗原に対する抗体を含んでいます。

②IgA…人の腸管、気道、粘膜、初乳に多く含まれて、細菌やウイルス感染の予防に役立っています。

③IgM…細菌に感染した時、最初に作られる抗体です。

④IgE…喘息やアレルギーに関係のある抗体です。

生体防御の仕組みとしては、「特異的防御機構」と「非特異的防御機構」があります。

①特異的防御機構…適応免疫

一度感染した病原体に二度と感染しないようにする防御機構です。

この免疫機構には、細胞免疫(T細胞が異物の攻撃や排除をする)と、液性免疫(B細胞が分化してできた形質細胞が抗体をつくり、抗原を攻撃する)があります。

②非特異的防御機構…自然免疫

最初に外から来た異物を排除する防御機構のことです。

普段は骨髄内に入る好中球と単球は、病原体が侵入すると局所に集まり病原体を貪食、処理します。

選択肢1. 消化管粘膜には、非特異的防御機構が認められる。

〇 消化管粘膜には、非特異的防御機構が認められます。

消化管粘膜には、非特異的防御機構(自然免疫)が備わっていて、最初に外から来た異物を排除する仕組みがあります。

選択肢2. IgGによる免疫は、非特異的防御機構である。

× IgGによる免疫は、特異的防御機構です

IgGによる免疫は、一度感染した抗原に、二度と感染しないように働きます。

選択肢3. IgAは、I型アレルギーに関与する。

× IgAは、人の腸管、気道、粘膜、初乳に多く含まれていて感染の予防に役立っています

Ⅰ型アレルギーに関与するのは、IgEです

選択肢4. IgMは、胎盤を通過する。

× IgMは、胎盤を通過しません

胎盤を通過できるのは、IgGです。

選択肢5. 血漿中に最も多く存在する抗体は、IgEである。

× 血漿中に最も多く存在する抗体は、IgGです

免疫グロブリン全体の75%を占めます。

まとめ

免疫に関する記述は、各免疫の種類と役割を覚えておくと解答しやすいでしょう。

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03

各免疫グロブリンの働きについて確認しましょう。

選択肢1. 消化管粘膜には、非特異的防御機構が認められる。

正解です。

選択肢2. IgGによる免疫は、非特異的防御機構である。

IgG による免疫は、特異的防御機構です。

選択肢3. IgAは、I型アレルギーに関与する。

IgEは、Ⅰ型アレルギーに関与します。

選択肢4. IgMは、胎盤を通過する。

IgGは、胎盤を通過します。

選択肢5. 血漿中に最も多く存在する抗体は、IgEである。

血漿中に最も多く存在する抗体は、IgGです。

まとめ

各免疫グロブリンの働きについて確認しましょう。

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