管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問89

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問89 (訂正依頼・報告はこちら)

母乳と調乳に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 人乳は、牛乳よりカゼイン含量が多い。
  • 人乳は、牛乳より飽和脂肪酸含量が多い。
  • 初乳は、成熟乳より分泌型IgAを多く含む。
  • エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)の死滅に必要な調乳温度は、50~60℃である。
  • 家庭での1回分の調乳では、終末殺菌法を用いる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 です。

分娩後2~5日頃の初乳は乳児の免疫力を高めるために、

感染防御因子であるIgAを多く含みます

これによって初乳のたんぱく質量はとても多いです。

1:カゼイン含有量は人乳より牛乳のほうが多いです。

2:人乳が牛乳より多い脂肪酸は不飽和脂肪酸です。

4:エンテロバクター・サカザキは70℃以上で死滅するとされています。

よって70℃以上の温度で調乳し、その後冷ますことが必要です。

5:終末殺菌法とは洗った大量の哺乳瓶に調乳液を入れ高温で殺菌する方法です。

これは大量に授乳しなくてはいけない病院や保育所などに適した方法で、

各家庭では1本ずつ消毒した哺乳瓶で調乳する無菌操作法を用います。

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02

母乳と調乳の違いについて理解を深めましょう。

選択肢1. 人乳は、牛乳よりカゼイン含量が多い。

牛乳の方が人乳よりカゼイン含量は多いです

人乳は牛乳と比べて、乳糖は1.5倍ですが、たんぱく質やミネラルは1/3になります。

選択肢2. 人乳は、牛乳より飽和脂肪酸含量が多い。

人乳は、牛乳より飽和脂肪酸含量が少ないです。

選択肢3. 初乳は、成熟乳より分泌型IgAを多く含む。

正しいです。

初乳は、成熟乳より分泌型IgAを多く含みます。

初乳は、粘稠度が高く、免疫物質、たんぱく質、ミネラルが多く含まれています。

成熟乳は、粘稠度が低く、高エネルギーで脂肪と乳糖が多いです。

選択肢4. エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)の死滅に必要な調乳温度は、50~60℃である。

エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)の死滅に必要な調乳温度は、70℃以上です。

坂崎菌に感染すると、乳児では敗血症などを引き起こすことがあります。

選択肢5. 家庭での1回分の調乳では、終末殺菌法を用いる。

家庭での1回分の調乳では、無菌操作法を用います。

無菌操作法とは、消毒した哺乳瓶に粉乳とお湯を入れ調乳する方法です。

家庭などにおける小規模な調乳に用いられます。

終末殺菌法とは、哺乳瓶に調合した乳汁を入れ、哺乳瓶ごと加熱殺菌する調乳方法です。

病院や施設における大規模な調乳に用いられます。

まとめ

母乳と調乳について、栄養素の違いや殺菌方法の種類など、理解を深めましょう。

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03

母乳には免疫物質が含まれます。

調乳には母乳に少ないビタミンK、ビタミンDが多く含まれています。

選択肢1. 人乳は、牛乳よりカゼイン含量が多い。

人乳は、牛乳よりカゼイン含量が少ないです。

人乳は胃の中で酸の影響を受け凝固しにくく消化しやすいです。

選択肢2. 人乳は、牛乳より飽和脂肪酸含量が多い。

人乳は、牛乳より飽和脂肪酸含量が少ないです。

人乳は不飽和脂肪酸含量が多いです。

選択肢3. 初乳は、成熟乳より分泌型IgAを多く含む。

正しいです。

初乳は出産後数日~1週くらいに分泌される母乳で分泌型IgAを多く含み、その後減っていきます。

選択肢4. エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)の死滅に必要な調乳温度は、50~60℃である。

エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)の死滅に必要な調乳温度は、70℃以上です。

エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)に感染すると敗血症などのリスクがあります。

選択肢5. 家庭での1回分の調乳では、終末殺菌法を用いる。

家庭での1回分の調乳では、無菌操作法を用います。

終末殺菌法は病院などの施設において大量に調乳する場合に用いられる。

まとめ

母乳と調乳の違いを理解しておきましょう。

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