管理栄養士の過去問 第36回 午後の部 問116
この過去問の解説 (3件)
1 .血中チロシン値
✖⇒先天性代謝異常症のうち、フェニルケトン尿症ではフェニルアラニンの蓄積及びチロシンの欠乏を引き起こします。よって血中チロシン値をモニタリングする場合フェニルケトン尿症等がふさわしいと考えられます。
2 .血中ロイシン値
〇⇒メープルシロップ尿症は、分岐鎖ケト酸脱水酵素の先天的な欠損のより、分岐アミノ酸(BCAA)の蓄積を起こすアミノ酸代謝異常症です。分岐アミノ酸にはバリン・ロイシン・イソロイシンの3種類がありますので、本選択肢の血中ロイシンが最もふさわしいと考えられます。
3 .血中ガラクトース値
✖⇒先天性代謝異常症のうち、ガラクトース血症ではガラクトースの蓄積を引き起こします。よって血中ガラクトース値をモニタリングする場合フェニルケトン尿ガラクトース血症等がふさわしいと考えられます。
4 .尿中ホモシスチン排泄量
5 .尿中メチオニン排泄量
✖⇒先天性代謝異常症のうち、ホモシスチン尿症ではメチオニン、およびホモシステインの蓄積を引き起こします。ホモシステインをシスタチオニンに変換するシスタチオニンβ合成酵素の欠損により、ホモシステインをホモシスチンに変換するためホモシスチンの尿中排泄量が増加します。
よって(4)(5)をモニタリングする場合、ホモシスチン尿症等がふさわしいと考えられます。
解答は【2】です。
メープルシロップ尿症とは、尿や汗などがメープルシロップのような甘い匂いがすることから、この病名となりました。
α-ケト酸脱水素酵素複合体の遺伝的欠損により、分岐鎖アシルCoAの代謝異常が生じます。
そのために、血中に分岐鎖アミノ酸とそれらのα-ケト酸が蓄積し、アシドーシスとなって新生児期より痙攣や呼吸障害、意識障害などが現れます。
1.×
血中チロシン値が指標となるのは、フェニルケトン尿症です。
フェニルケトン尿症は、フェニルアラニン水酸化酵素の先天的欠損、あるいはその補酵素の代謝異常により、フェニルアラニンの蓄積、およびチロシンの欠乏を引き起こすアミノ酸代謝異常です。
2.〇
分岐鎖アミノ酸の摂取制限を行うので、分岐鎖アミノ酸の中で最も量の多い血中ロイシン値を基準にして、食事からの摂取量を調整します。
3.×
血中ガラクトース値が指標となるのは、ガラクトース血症です。
ガラクトース血症は、ガラクトースの代謝経路の先天的な欠損により、ガラクトースの蓄積を起こす糖代謝異常です。
症状としては、嘔吐や下痢、黄疸や神経障害などがみられ、治療は入党を除去することや、乳児では乳糖除去乳や豆乳を用います。
4.×
尿中ホモシスチン排泄量が指標となるのは、ホモシスチン尿症です。
ホモシスチン尿症は、シスタチオニンβ合成酵素の先天的欠損、あるいは障害により、メチオニンおよびホモシステインの蓄積を起こすアミノ酸代謝異常です。
5.×
尿中メチオニン排泄量が指標となるのは、ホモシスチン尿症です。
ホモシスチン尿症は、シスタチオニンβ合成酵素の先天的欠損、あるいは障害により、メチオニンおよびホモシステインの蓄積を起こすアミノ酸代謝異常です。
メープルシロップ尿症は、分岐鎖ケト酸脱水酵素の先天的な欠損により、分岐アミノ酸の蓄積を起こすアミノ酸代謝異常です。
よって、モニタリング指標には分機鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)が必要です。
適切ではありません。
適切です。
適切ではありません。
適切ではありません。
適切ではありません。
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