管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問119

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問119 (訂正依頼・報告はこちら)

34歳、女性。事務職。身長165cm、体重77kg、BMI 28.3kg/m2、標準体重60kg。血圧150/96mmHg。他に異常は認められず、外来栄養食事指導を行うことになった。この患者の1日当たりの目標栄養量である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • エネルギー 600kcal
  • たんぱく質 70g
  • 脂肪 20g
  • 炭水化物 80g
  • 食塩 7.5g

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この過去問の解説 (4件)

01

解答は【2】です。

推定エネルギー必要量を求めましょう。

◆ハリス・ベネディクトの式

 女性:〔655.1 +(9.56×体重kg)+(1.85×身長cm)―(4.68×年齢)〕× 活動係数 × ストレス係数 = 約2,300kcal

 (※活動係数=1.5と推定。ストレス係数は1)

◆標準体重 × 身体活動量係数(25 - 35)

 [身体活動の目安]

 やや低い(ディスクワークが主な人・主婦)     25~30kcal/㎏標準体重    

 適度  (立ち仕事が多い職業:農作業・漁業など) 30~35kcal/㎏標準体重

 高い  (力仕事の多い職業:土木建築業など)   35~kcal/㎏標準体重

     60 × 25 - 30kcal = 1500 - 1800 kcal

1.×

BMIが28.3 kg/m2なので、「肥満」ではありますが、1日あたり600kcalに制限する必要はありません。

2.

現在の体重は77.0kgなので、たんぱく質70gの摂取は妥当と言えます。

(体重1kgあたり、約0.9gとなります)

 計算式:77.0kg÷70g=0.9g

3.×

脂肪20gは、180kcalです。

この患者が1日に約2,300kcal(ハリス・ベネディクトの式より)摂取すると仮定した場合、脂質の摂取目標量は20-30%Eなので、

 180kcal÷2,300kcal×100=7.8%  となり、少なすぎます。

4.×

炭水化物80gは、320kcalです。

この患者が1日に約2,300kcal(ハリス・ベネディクトの式より)摂取すると仮定した場合、炭水化物の摂取目標量は50-65%Eなので、

 320kcal÷2,300kcal×100=13.9%  となり、少なすぎます。

5.×

この患者は、血圧が150/96 mmHgと、Ⅰ度高血圧なので、食塩7.5gは多すぎます。

高血圧の重症化予防のための食塩相当量は、男女とも6.0g/日となります。

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02

本設問の対象者は、血圧150/96mmhgのⅠ度高血圧であり、高血圧の食事療法に適したものを選択します。

1 .エネルギー 600kcal

 ✖⇒肥満は高血圧の重要な発症要因であるため、BMI25kg/m2未満を目指して減量することは必要であるとされています。

しかし、エネルギー600kcalは高度肥満症患者が行うことのあるVLCD(超低エネルギー食)の600kcal/日以下と同等レベルの摂取カロリーであり、本設問の対象者には少なすぎると考えられます。

本設問の対象者は事務職であり、身体活動レベルをⅠとすると日本人の食事摂取基準:推定エネルギー必要量は1750kcal/日(30~49kcal/日 女性)となっています。

2 .たんぱく質 70g

 ⇒日本人の食事摂取基準では、身体活動レベル別に見たタンパク質の目標量は身体活動レベルⅠで34歳女性の場合、57~78g/日とされています。また、目標量は13~20%エネルギーであり、(1)で提示したエネルギーを用いると56.9g~87.5g/日となるため、本設問が最もふさわしいと考えられます。

3 .脂肪 20g

 ✖⇒脂質の食事摂取基準 目標量は20~30%エネルギーであり、(1)のエネルギー量を用いると38.9g~58.3gとなります。よって本選択肢はふさわしくないと考えられます。

4 .炭水化物 80g

 ✖⇒炭水化物の目標量は50~65%エネルギーであり、(1)のエネルギー量を用いると218.8~284.3gとなります、よって本選択肢はふさわしくないと考えられます。

5 .食塩 7.5g

 ✖⇒減塩目標値を6.0g/日未満とされています。よってこの設問はふさわしくないと考えられます。

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03

最も適当な、患者の1日当たりの目標栄養量を聞く問題です。

 

【患者1日当たりの目標栄養量】

エネルギー量=標準体重60㎏✖25=1500kcal

タンパク質=エネルギー量✖15~20%÷4kcal=56~75g

脂質=エネルギー量✖20~25%÷9kcal=33~41g

炭水化物=エネルギー量✖55~60%÷4kcal=206~225g

高血圧なので、食塩は6g未満です。

では問題をみていきましょう。

選択肢1. エネルギー 600kcal

✖ エネルギー600kcal適切ではありません

 

1日当たりの目標エネルギー量は、1500kcalです

選択肢2. たんぱく質 70g

〇 タンパク質70gは最も適当です

 

1日当たりの目標タンパク質量は、56~75gが適当です

選択肢3. 脂肪 20g

✖ 脂肪20g適切ではありません

 

1日当たりの目標脂肪量は、33~41gです

選択肢4. 炭水化物 80g

✖ 炭水化物80g適切ではありません

 

1日当たりの目標炭水化物量は、206~225gです

選択肢5. 食塩 7.5g

✖ 食塩7.5gは適切ではありません

 

高血圧なので、1日6g未満を目標とします

まとめ

この問題は計算しても解答できますが、標準的な1日当たりの目標栄養量を記憶しておくと早く解答ができるのでおすすめです。

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04

本症例は、肥満度判定BMI25以上30 kg/m2未満の肥満Ⅰ度、血圧140/90 mmHg以上であることから高血圧と評価されます。

選択肢1. エネルギー 600kcal

【エネルギー】25(kcal/kg)×標準体重(kg)/日以下

(標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で求められるため、1.65×1.65×22=60kgとなります。)

 

本設問に当てはめると、25(kcal/kg)×65(kg)/日=1625kcal/日となり、600kcal/日は適切ではありません。

選択肢2. たんぱく質 70g

【たんぱく質】エネルギー×指示エネルギー比率(15~20%)÷4

 

本設問に当てはめると、1725×0.15~0.2÷4=65~86gとなるため、70gは妥当です。

選択肢3. 脂肪 20g

【脂質】エネルギー×指示エネルギー比率(20~25%)÷9

 

本設問に当てはめると、1725×0.2~0.25÷9=38~48gとなるため、20gは適切ではありません。

選択肢4. 炭水化物 80g

【炭水化物】推定エネルギー必要量×炭水化物の割合(50~60%)÷4

 

本設問に当てはめると、1725×0.5~0.6÷4=215~259gとなるため、80gは適切ではありません。

選択肢5. 食塩 7.5g

この患者はⅠ度高血圧なので、食塩7.5gは多すぎます。

高血圧の重症化予防のための食塩相当量は、男女とも6.0g/日となります。

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