管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問124

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問124 (訂正依頼・報告はこちら)

うっ血性心不全患者において、前負荷を減らす栄養管理である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • たんぱく質制限
  • 乳糖制限
  • 食物繊維制限
  • 食塩制限
  • カリウム制限

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この過去問の解説 (4件)

01

うっ血性心不全の食事療法としては、血圧の上昇を抑えるために食塩や水分の制限が原則となります。

よって(4)食塩制限 が正解となります。

他の選択肢のような制限が必要となる状況を一部紹介します。

1 .たんぱく質制限…腎臓疾患系、肝性脳症など

2 .乳糖制限…乳糖不耐症、ガラクトース血症

3 .食物繊維制限…クローン病、潰瘍性大腸炎など腸管への刺激を避ける疾患

4 .食塩制限…高血圧、心疾患系、脳血管疾患系

5 .カリウム制限…腎不全、慢性腎臓病ステージ3b以上

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02

解答は【4】です。

うっ血性心不全とは、高血圧症や心臓弁膜症により、徐々に起こる疾患です。

1.×

低たんぱく質血症や、低アルブミン血症を引き起こすことが多いので、標準体重1~1.5g/kg/日として、不足のないように注意することが重要です。

2.×

良質なたんぱく質食品の摂取が推奨とされ、さらに、脂質の少ない食品が適しています。

そのため、牛乳や白身魚、豆腐などのたんぱく質食品の摂取が良いとされています。

3.×

心不全では、食物繊維の摂取は制限しません。食物繊維の摂取制限がある疾患は、潰瘍性大腸炎などです。

4.

前負荷の軽減とうっ血の改善のために、食塩を制限することと、水分量のコントロールを行うことが重要です。

5.×

薬剤の使用や、排泄機能のアンバランスから、低カリウム血症を引き起こすこともあるので、カリウムは制限しません。

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03

前負荷(容量負荷)とは心臓が収縮する直前に心室にかかる負荷のことです。

心室に入る血液が多いほど大きくなり、脱水になると小さくなります。

前負荷は、心房に流入する血液量と心房の収縮力によって決まります。

循環血流量を増やす原因の食塩を1日6g未満に制限すると、前負荷を減らすことができます

選択肢1. たんぱく質制限

✖ たんぱく質制限は間違いです

 

たんぱく質は前負荷を減らす栄養管理ではありません。

腎臓病の食事療法ではたんぱく質制限を行います。

選択肢2. 乳糖制限

✖ 乳糖制限は間違いです

 

乳糖制限は前負荷を減らす栄養管理ではありません。

乳糖不耐症の食事療法では乳糖制限を行います。

選択肢3. 食物繊維制限

✖ 食物繊維制限は間違いです

 

食物繊維制限は前負荷を減らす栄養管理ではありません。

潰瘍性大腸炎の食事療法では食物繊維を制限します。

選択肢4. 食塩制限

〇 食塩制限は前負荷を減らす栄養管理です

 

食塩は1日6g未満に制限します。

選択肢5. カリウム制限

✖ カリウム制限は間違いです

 

カリウム制限は前負荷を減らす栄養管理ではありません。

腎不全などで、血清カリウム値が上昇する場合の食事療法では、カリウム制限を行います。

まとめ

うっ血性心不全の食事療法は水分と食塩制限が基本です。

 

 

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04

うっ血性心不全患者においては食塩・水分制限が原則です。

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