管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問126
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問126 (訂正依頼・報告はこちら)
腎疾患の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 急性糸球体腎炎では、エネルギーを制限する。
- 微小変化型ネフローゼ症候群では、たんぱく質摂取量を0.8g/kg標準体重/日とする。
- 急性腎不全では、利尿期の後に乏尿期となる。
- 慢性腎不全では、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値が低下する。
- 尿路結石では、水分を制限する。
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この過去問の解説 (4件)
01
1 .急性糸球体腎炎では、エネルギーを制限する。
✖⇒急性糸球体腎炎の治療では、安静臥床および食事療法が基本です。特に食事療法では回復の過程に応じて制限を緩和します。よってエネルギーを制限する必要はありません。
(総エネルギー…35kcal/kg標準体重/日)
2 .微小変化型ネフローゼ症候群では、たんぱく質摂取量を0.8g/kg標準体重/日とする。
✖⇒タンパク質摂取量は1.0~1.1g/kg標準体重/日とします。
*微小変化型ネフローゼ症候群とは…ネフローゼ症候群のうち、急にたんぱく尿が出現し、光学顕微鏡で異常を見つけられないものをいいます。
3 .急性腎不全では、利尿期の後に乏尿期となる。
✖⇒乏尿期の後に利尿期となります。(急性期⇒乏尿期⇒利尿期⇒回復期および治癒期)
4 .慢性腎不全では、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値が低下する。
〇⇒血中1α,25−ジヒドロキシビタミンDとは、ビタミンDが肝臓・腎臓で水酸化されて合成される代謝物ですが、慢性腎不全の状態ではこの水酸化を行うことが難しくなりますので、血中1α,25−ジヒドロキシビタミンD値は低下していきます。
5 .尿路結石では、水分を制限する。
✖⇒水分は積極的に摂取(1日2L以上)します。結石を自然に出すためにも水分摂取は重要です。
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02
解答は【4】です。
1.×
急性糸球体腎炎とは、一般的に扁桃炎や咽頭炎などに感染後、1~3週間で発症する、腎糸球体の炎症のことです。
エネルギーは十分に摂取し、場合に応じてたんぱく質摂取制限を行います。
浮腫や高血圧の改善のため、食塩の制限は必須となります。
2.×
微小変化型ネフローゼ症候群以外では、たんぱく質摂取量を0.8g/kg(標準体重)/日までに制限し、微小変化型ネフローゼ症候群では、1.0~1.1g/kg(標準体重)/日までと設定します。
3.×
急性腎不全では、「急性期 → 乏尿期 → 利尿期 → 回復期/治癒期」となります。
4.〇
適切です。
5.×
尿路系に発生する結石を尿路結石といい、進行すると、腎盂腎炎や敗血症の原因となります。
尿路結石において、水分の摂取量は1日あたり2,000mL以上と設定し、規則正しく、バランスの良い食生活を送ることが重要です。
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03
腎疾患にはさまざまな種類があります。
それぞれの病態と栄養管理のポイントをしっかり抑えておきましょう。
急性糸球体腎炎では、低たんぱく質(0.5g/kg/日)、高エネルギー食(35kcal/kg/日)とします。
微少変化型ネフローゼ症候群では、たんぱく質摂取量を1.0~1.1g/kg/日とします。
急性腎不全では、乏尿期の後に多尿期となる場合が多いです。
正解です。
尿路結石では、水分を十分に摂取します。
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04
腎疾患の病態と栄養管理は多岐に渡ります。
それぞれの特徴を理解して解答しましょう。
✖ 「急性糸球体腎炎では、エネルギーを制限する」は間違いです。
糸球体腎炎では、エネルギー制限を行いません。
✖ 「微小変化型ネフローゼ症候群では、タンパク質摂取量を0.8g/㎏標準体重/日とする」は間違いです。
微小変化型ネフローゼ症候群では、タンパク質摂取量を1.0~1.1gにします。
✖ 「急性腎不全では、利尿期の後に頻尿期にとなる」は間違いです。
急性腎不全では、乏尿期の後に利尿期になります。
〇 「慢性腎不全では、血中1α,25‐ジヒドロキシビタミンD値が低下する」は正解です。
腎機能が低下すると血中1α,25‐ジヒドロキシビタミンD値が低下します。
✖ 「尿路結石では、水分を制限する」は間違いです。
尿路結石では、積極的な飲水を指導します。
腎疾患の食事療法は、一つではありません。
どのような腎臓病なのか理解して解答しましょう
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