管理栄養士の過去問 第36回 午後の部 問129
この過去問の解説 (3件)
1 .1秒率は、上昇する。
✖⇒一秒率は減少する。
一秒率とは、深く息を吸い、一気に吐き出した空気量(努力肺活量)に対して最初の一秒間で吐き出した量(一秒量)の割合で、COPDのような気管支が狭くなっている閉塞性換気障害では一秒率は低下します。
2 .動脈血酸素分圧は、低下する。
〇:正解です
(1)でも説明したように、COPDは 息を吐きだす量が少なくなります。つまり息を吐きづらくなります。したがって吸う息よりも吐く息の方が少なくなりますから、酸素よりも二酸化炭素の方が肺胞内に残ります。その結果、肺胞におけるガス交換と組織におけるガス交換が障害されるため、十分な酸素が組織に供給されない=動脈血酸素分圧は低下する、がふさわしいと考えられます。
3 .除脂肪体重は、増加する。
✖⇒COPDは呼吸を行うためにエネルギー消費量が増加しています。加えて食欲低下などでタンパク質やエネルギーの欠乏症をきたしやすいこともあり、徐脂肪体重は減少する傾向にあるとされています。
4 .投与エネルギー量を制限する。
✖⇒(3)でも述べたように、COPDはエネルギーの欠乏症をきたしやすいこともあるため、エネルギー量を制限する必要はないと考えられます。
5 .たんぱく質を制限する。
✖⇒(3)でも述べたように、COPDはタンパク質の欠乏症をきたしやすいこともあるため、タンパク質を制限する必要はないと考えられます。
解答は【2】です。
1.×
COPDでは、気道の狭窄のために十分な換気ができないので、呼吸筋のエネルギー消費が増します。
そのため、1秒率は減少します。
2.〇
動脈血酸素分圧は、低下します。
3.×
COPDの病期分類により、重症化すればするほど、低栄養のリスクが高くなります。
そのため、除脂肪体重は減少する可能性があります。
4.×
COPDの栄養障害に対しては、高エネルギー、高たんぱく質食が基本です。
体重を増加させるためには、安静時エネルギー消費量の1.5倍以上の十分なエネルギー摂取が必要です。
5.×
たんぱく質摂取量は制限せず、高たんぱく質食とします。
なかでも、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含む食品の摂取が勧められます。
COPDは閉塞性換気障害であり、栄養状態の悪化による体重減少が認められます。
1秒率は、1秒間に肺活量のうち何%の空気を吐き出すことができるかを計算する指標です。
COPDでは気道の狭窄のために十分な換気ができないため、1秒率は低下します。
正解です。
COPDでは気道の狭窄のために十分な換気ができないため、動脈血酸素分圧は低下します。
COPDでは気道の狭窄のため、呼吸時のエネルギー消費量が増加しています。
また、呼吸困難による食事量の減少により摂取エネルギー量が低下します。
そのため、体たんぱく質の異化が亢進し、除脂肪体重は減少します。
COPDの栄養障害に対しては高エネルギー食が基本です。
<エネルギー>30~40kcal/kg標準体重/日
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