管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問131

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問131 (訂正依頼・報告はこちら)

70歳、女性。体重48kg、標準体重50kg。自宅療養中の骨粗鬆症患者である。1日当たりの栄養素等摂取量の評価を行った。改善が必要な項目として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • エネルギー 1,500kcal
  • たんぱく質 60g
  • ビタミンD 4μg
  • ビタミンK 300μg
  • カルシウム700mg

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この過去問の解説 (4件)

01

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 食事指導を確認しましょう。

(エネルギーとたんぱく質の量は年齢・性別・基礎代謝・日常活動量に応じたものを採用します)

1 .エネルギー 1,500kcal

 〇⇒20.7 (65~74歳の場合の基礎基準値)×50kg標準体重×1.45(身体活動レベル低い)=1500kcal/日 であるため適切であると言えます。

2 .たんぱく質 60g

 ⇒食事摂取基準より。65~74歳の推定平均必要量は40g/日、推奨量は50gですが、タンパク質の摂取量が少ないと骨密度を助長してしまいますので、意識して摂取するという点では適切であると言えます。

3 .ビタミンD 4μg

 推奨量は400~800IU(10~20μg)であるため、適切であるとは言えません。

4 .ビタミンK 300μg

 〇⇒推奨量は250~300μgであるため、適切であると言えます。

5 .カルシウム700mg

 〇⇒65~74歳 女性の推奨量は650mg(耐容上限量は2500mg)であるため適切であると言えます。

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02

骨粗鬆症患者に対して行う食事療法では、適切なエネルギー摂取による体重維持や、カルシウムをはじめとしたミネラル、ビタミンなどの栄養素の十分な補給が重要になります。

選択肢1. エネルギー 1,500kcal

標準体重×30kcal=1,500kcalとなるので、著しく不足しているわけではありません。

そのため、最も改善が必要というわけではありません。

選択肢2. たんぱく質 60g

たんぱく質の推奨量は体重1kgあたり1.3gなので、最も改善が必要というわけではありません。

選択肢3. ビタミンD 4μg

改善が必要です。

ビタミンDを多く含む食品の摂取が推奨されています。

推奨されているビタミンDの摂取量は10~20μgなので、最も改善が必要な栄養素となります。

選択肢4. ビタミンK 300μg

改善は必要ありません。

ビタミンKは、250~300㎍の摂取が推奨されています。

選択肢5. カルシウム700mg

改善は必要ありません。

カルシウムは食品から700~800mgの摂取が推奨されています。

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03

骨粗鬆症患者の1日当たりの栄養素等摂取量の評価を行う場合には、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」や、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015」を参考に解答します。

選択肢1. エネルギー 1,500kcal

✖ 「エネルギー1,500kcal」の改善は必用ありません

 

必用エネルギー量=標準体重✖30kcal

エネルギー量1,500kcalです

選択肢2. たんぱく質 60g

✖ 「たんぱく質60g」の改善は必用ありません

 

たんぱく質は標準体重当たり1.2kcal摂っているので改善の必要はありません

選択肢3. ビタミンD 4μg

〇 「ビタミンD4μg」は、改善が必要な項目です

 

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目安量8.5μg/日や、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」の推奨量10~20μg/日にも達していないので、改善が必要です。

選択肢4. ビタミンK 300μg

✖ 「ビタミンK300μg」の改善は必用ありません

 

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の基準を満たしています

選択肢5. カルシウム700mg

✖ 「カルシウム700mg」の改善は必用ありません

 

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の基準を満たしています

 

まとめ

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」や、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」を参考に解答する問題です。基本的な部分を覚えておきましょう。

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04

骨粗鬆症における食事療法では、適切なエネルギー摂取による体重維持やカルシウムをはじめとしたミネラル、ビタミンDなどの十分な補給が重要です。

選択肢1. エネルギー 1,500kcal

【エネルギー】基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×標準体重(kg体重/日)×身体活動レベル

 

本設問に当てはめると、20.7(kcal/kg体重/日)×50(kg体重/日)×1.45=1500kcalとなるため、改善は必要ありません。

選択肢2. たんぱく質 60g

【たんぱく質】エネルギー×たんぱく質のエネルギー比率(15~20%)÷4

 

本設問に当てはめると、1500×0.15~0.2÷4=56~75gとなるため、改善は必要ありません。

選択肢3. ビタミンD 4μg

正解です。

骨粗鬆症で推奨されているビタミンDの摂取量は15~20μg(600~800IU)なので、改善が必要です。

選択肢4. ビタミンK 300μg

骨粗鬆症で推奨されているビタミンKの摂取量は250~300μgなので、改善は必要ありません。

選択肢5. カルシウム700mg

骨粗鬆症で推奨されているカルシウムの摂取量は700~800mgなので、改善は必要ありません。

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