管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問140
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問140 (訂正依頼・報告はこちら)
世界の健康・栄養問題および栄養状態に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 開発途上国には、NCDsの問題は存在しない。
- ビタミンA欠乏症は、開発途上国の多くで公衆栄養上の問題となっている。
- 栄養不良の二重負荷とは、発育阻害と消耗症が混在する状態をいう。
- 小児の発育阻害の判定には、身長別体重が用いられる。
- 栄養転換では、食物繊維の摂取量の増加がみられる。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (4件)
01
1 .開発途上国には、NCDsの問題は存在しない。
✖⇒現在、開発途上国では栄養不良の二重負荷(同一集団内に飢餓と肥満が混在している状態)が課題となっています。このことから、NCDs(=非感染性疾患)の問題は十分存在していると言えます。
2 .ビタミンA欠乏症は、開発途上国の多くで公衆栄養上の問題となっている。
〇⇒開発途上国の5歳未満児およそ40%に対し、失明のみならず免疫機能の低下を引き起こしており、年間100万人の子どもが亡くなる原因となっていると言われています。
3 .栄養不良の二重負荷とは、発育阻害と消耗症が混在する状態をいう。
✖⇒(1)でも述べたように、同一集団内に飢餓(栄養不良)と肥満(栄養過多)のものが混在する状態のことを指します。
4 .小児の発育阻害の判定には、身長別体重が用いられる。
✖⇒ 身長別体重ではなく、パーセンタイル発育(成長)曲線に基づいた判定が用いられます。様々な理由がありますが、特に個々の子ども特有の発育特性を評価できること、同性・同年齢の体重の度数分布は正規分布しない傾向にあるため、統計学的に平均値と標準偏差で扱うよりもパーセンタイル値で扱う方が合理的であること、などが発育曲線を用いられる要因だと考えられます。
5 .栄養転換では、食物繊維の摂取量の増加がみられる。
✖⇒食物繊維の摂取量は減少がみられます。栄養転換 (Nutrition Transition)とは、高脂肪(飽和脂肪酸)・高糖質・食物繊維に乏しい食事の摂取機会が増加するのと同時に身体活動の機会も減り、集団の体格組成が変化する現象のことです。
参考になった数14
この解説の修正を提案する
02
解答は【2】です。
1.×
NCDsとは、非感染性疾患のことで、がん、循環器疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患を中心とした慢性疾患の総称です。
NCDsは、先進国だけではなく、開発途上国においても重要な問題です。
2.〇
鉄欠乏、ビタミンA欠乏、ヨウ素欠乏が世界の三大微量栄養素欠乏です。
これらのリスクは、開発途上国の5歳未満の子供や妊娠可能年齢の女性において特に高いです。
3.×
低栄養と過栄養という相反する栄養問題が両方存在することを、栄養不良の二重負荷といいます。
さらに、現在では子供の発育阻害と成人女性の過体重に微量栄養素欠乏である、鉄欠乏性貧血を加えた栄養不良の三重負荷も問題となっています。
4.×
小児の発育阻害の判定には、年齢に見合った身長の伸びがみられないなど、年齢と身長が用いられます。
5.×
栄養転換では、食物繊維の摂取量の低下がみられます。
参考になった数7
この解説の修正を提案する
03
世界の健康・栄養問題および栄養状態に関する記述です。
問題をみていきましょう。
✖ 「開発途上国には、NCDsの問題は存在しない」は間違いです。
NCDsは、非感染性疾患のことです。
例えば、心血管疾患、がん、糖尿病、精神疾患など
開発途上国には、NCDsの問題は存在します。
〇 「ビタミンA欠乏症は、開発途上国の多くで公衆栄養上の問題となっている」は正解です。
開発途上国に暮らす5歳未満の子供に、ビタミンA欠乏症の免疫機能低下がみられています。
✖ 「栄養不良の二重負荷とは、発育阻害と消耗症が混在する状態をいう」は間違いです。
栄養不良の二重負荷とは、同時期に低栄養と過栄養が混在する状態のことです。
✖ 「小児の発育阻害の判定には、身長別体重が用いられている」は間違いです。
発育阻害とは、慢性栄養不良状態のため、年齢相応の身長まで伸びないことです。
身長別体重は用いられていません。
✖ 「栄養転換では、食物繊維の摂取量の増加がみられる」は間違いです。
栄養転換とは、食物繊維の摂取が少なく、高脂肪、高糖質の食事の摂取機会が増え、身体活動量が減ることによって集団の体格組成が変化することです。
単語の意味を覚えておくと解答できる問題です。しっかり覚えておきましょう。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
04
世界の健康・栄養問題および栄養状態に関して見ていきましょう。
開発途上国にも、NCDs の問題は存在します。
正解です。
栄養負荷の二重負荷とは一つの国や地域の中で低栄養と過剰栄養の問題が同時に起こる状態です。
小児の発育阻害の判定には、年齢に対する身長が用いられます。
栄養転換では、食物繊維の摂取量の減少、不飽和脂肪酸や糖質摂取量の増加がみられます。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問139)へ
第36回問題一覧
次の問題(問141)へ