管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問148
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問148 (訂正依頼・報告はこちら)
食物摂取頻度調査法を用いた栄養疫学研究を行った。残差法における残差の記述として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 総エネルギー摂取量当たりの栄養素摂取量
- 総エネルギー摂取量と栄養素摂取量の相関係数
- 栄養素摂取量の測定値とEARとの差
- 栄養素摂取量の測定値と平均値との差
- 栄養素摂取量の測定値と総エネルギー摂取量からの予測値との差
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この過去問の解説 (4件)
01
設問(5)にもある通り、残差方で扱われる「残差」は、*予測値と実際の測定値との差で表されます。
まず、残差法とは?
特定の栄養素摂取量が多いもしくは少ない場合と、疾病の関係を検討したいとき、総エネルギー摂取量を調整した栄養素摂取量の求め方で、密度法と残差法の二種があり、そのうちの一種です。
残差法は、集団の栄養素摂取量の平均値+残差で求められますが、本設問ではこの「残差」について問われています。
残差法では、対象集団に食事調査を行い、扱う栄養素摂取量と総エネルギー摂取量との関係を一次回帰式で表します。(一次回帰式とは?…一次式 y=ax+bで表され、最小二乗法を用いて表されます。)
例えば、y軸が栄養素摂取量、x軸が総エネルギー摂取量としたときに、集団の調査結果を分布させ、およそ その中間地点にy=ax+bの線を引くイメージです。
つまり、一次回帰式で表されるy=ax+bは集団の平均値と考えることができます。
このy=ax+b(集団の平均値)が、本設問での「*予測値」にあたります。
冒頭でも述べたように、残差法で扱われる「残差」は、*予測値と実際の測定値との差で表されるため、設問(5)が正解と言えます。
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02
解答は【5】です。
残渣法とは、総エネルギー摂取量を独立変数、注目している栄養素摂取量を従属変数として、回帰直線を計算し、それぞれの対象者に対して残渣と呼ばれる距離を計算する方法のことです。
1.×
総エネルギー摂取量あたりの栄養素摂取量を示すのは、密度法です。
2.×
総エネルギー摂取量と栄養素摂取量の相関関係は、回帰直線となります。
3.×
栄養素摂取量の測定値と、EARとの差を示したものではありません。
4.×
栄養素摂取量の測定値と、平均値との差は、エネルギー調整済み摂取量となります。
5.〇
正しいです。
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03
食事摂取量の評価方法には、エネルギー調整法を用います。
【エネルギー調整法とは】
一般的に総エネルギー摂取量が増えると、栄養素の摂取量も正の相関を示します。総エネルギー摂取量が栄養素に及ぼす影響を取り除く作業をエネルギー調整法といいます。
エネルギー調整法には、残差法と密度法があります。
✖ 「総エネルギー摂取量当たりの栄養素摂取量」は間違いです。
残差法における残差の記述ではありません。
密度法の記述です。
✖ 「総エネルギー摂取量と栄養素摂取量の相関係数」は間違いです。
残差法における残差の記述ではありません。
総エネルギー摂取量と栄養素摂取量の間に強い相関が観察される場合に起こりうる問題を理解する概念として相関係数が用いられます。
✖ 「栄養素摂取量の測定値とEARとの差」は間違いです。
残差法における残差の記述ではありません。
EARは推定平均必要量のことです。
十分な科学的根拠が得られた栄養素について設定されています。
EARは、不足の確率が50%あるということなので、栄養素摂取量の測定値がEAR以下であるものが多い集団では栄養を検討します。
✖ 「栄養素摂取量の測定値と平均値との差」は間違いです。
残差法における残差の記述ではありません。
エネルギー調整されていません。
〇 「栄養素摂取量の測定値と総エネルギー摂取量からの予測値との差」は正解です。
残差法における残差の記述です。
残差法とは、回帰式から予測される総エネルギー摂取量における栄養素の摂取量と、実際に測定された対象者の栄養素の摂取量との差のことです。
食物摂取頻度調査法に関連する言葉を意味と共に覚えましょう。
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04
残渣法は、集団内で個人の摂取量を比較する場合に用いられるエネルギー調整方法です。
栄養素摂取量の測定値と総エネルギー摂取量からの予測値との差から求められます。
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