管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問150
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問150 (訂正依頼・報告はこちら)
日本人の食事摂取基準(2020年版)に基づいた集団の食事摂取状況の評価に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- エネルギー摂取の過不足の評価では、集団のBMIの平均値が目標とする範囲外にあるかを確認する。
- 栄養素の摂取不足の評価では、摂取量がRDAを下回る者の割合を算出する。
- 栄養素の摂取不足の評価では、摂取量がAIを下回る者の割合を算出する。
- 栄養素の過剰摂取の評価では、摂取量がULを上回る者の割合を算出する。
- 生活習慣病の発症予防を目的とした評価では、集団の摂取量の平均値がDGの範囲外にあるかを確認する。
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この過去問の解説 (3件)
01
【ポイント】
本設問はある程度の条件が理解できれば容易に解き進めることができます。
☆エネルギー摂取の過不足⇒BMIで評価
☆栄養素の摂取不足⇒EARを下回る者で評価
☆栄養素の過剰摂取⇒ULを上回る者で評価
☆生活習慣病の発症予防⇒DGで評価
★基本的に集団が対象の場合、「平均値」ではなく「中央値」で判断する。
⇒平均値と記載があれば選択肢から外しやすいです。(※問題文はしっかり読みましょう!
最後に、食事摂取基準で頻出の五種類の値の名称と概念を押さえましょう。
① EAR/推定平均必要量…50%の人が必要量を満たす量(=50%の人が欠乏している)であり、科学的に根拠があるもの。
② RDA/推奨量…97.5%の人が必要量を満たす量。
③ AI/目安量…EARやRDAを算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、良好な栄養状態を維持するのに十分な量。
④ DG/目標量…生活習慣病の一次予防のために設定された目標とすべき摂取量。
⑤ UL/耐容上限量…過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量。
今後、今までの傾向と類似した設問でありながらも、違う切り口で問われる可能性は十分あります。
そのため、以上の内容を暗記するのではなく「理解」をし、
問題文をよく読んで持っている知識を最大限に活用できるよう学習を進めていきましょう!
エネルギー摂取の過不足の評価では、集団のBMIの中央値が目標とする範囲外にあるかを確認します。
栄養素の摂取不足の評価では、摂取量がEARを下回る者の割合を算出します。
栄養素の摂取不足の評価では、摂取量がEARを下回る者の割合を算出します。
〇
生活習慣病の発症予防を目的とした評価では、集団の摂取量の中央値がDGの範囲外にあるかを確認します。
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02
集団の食事改善を目的として食事摂取基準を活用するさいには、食事摂取状況のアセスメントを行い、
集団の摂取量の分布から、摂取不足や過剰摂取の可能性がある人の割合などを推定します。
厚生労働省からの「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書(2019)を見直しましょう。
×
エネルギー摂取の過不足の評価では、BMIの分布(成人の場合)が目標とする範囲外にある者の割合を算出して行います。
×
栄養素の摂取不足の評価では、摂取量の分布から、推定平均必要量(EAR)を下回る者の割合を算出し、
摂取量の中央値と目安量(AI)とを比較して行います。
×
栄養素の摂取不足の評価は、「栄養素の摂取不足の評価では、摂取量がRDAを下回る者の割合を算出する。」の解説と同様です。
〇
栄養素の過剰摂取の評価では、摂取量の分布から、耐容上限量(UL)を上回る者の割合を算出して行います。
×
生活習慣病の発症予防を目的とした評価では、摂取量の分布から、目標量(DG)の範囲を逸脱する者の割合を算出して行います。
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03
日本人の食事摂取基準(2020年版)の食事摂取状況のアセスメントおよび食事改善実施評価に関する問題です。
栄養素の指標をひとつひとつ確認しておきましょう。
×
エネルギー摂取の過不足の評価は、測定されたBMIの分布から、
BMIが正常範囲外にある者の割合を算出します。
×
栄養素の摂取不足の評価では、摂取量の分布から推定平均必要量(EAR)を
下回る者の割合を算出します。
RDAは推奨量(該当集団に属するほとんどの者(97~98%)が充足している量として定義される)なので異なります。
×
栄養素の摂取不足の評価では、摂取量の分布から推定平均必要量(EAR)を
下回る者の割合を算出します。
AIは目安量(特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量として定義される)なので異なります。
〇
ULとは、
「健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量を与える量」
と定義されています。
これを超えると、過剰摂取によって生じる潜在的な
健康障害のリスクが高まると考えられます。
×
生活習慣病の発症予防を目的とした評価は、
摂取量の分布から、目標量(DG)の範囲を逸脱する者の割合を算出します。
食事摂取基準における、「食事改善(集団)を目的とした活用」の枠組みを
目を通しておきましょう。
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