管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問178

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問178 (訂正依頼・報告はこちら)

Kクリニックの管理栄養士である。
患者は、38歳、男性。事務職。健康診断で肝機能異常を指摘され、受診した。精査の結果、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断された。
身長170cm、体重79kg、BMI 27.3kg/m2、腹囲92cm。AST 66U/L、ALT 88U/L。1年前の健康診断時は、体重72kg、BMI 24.9kg/m2、腹囲87cmであった。
飲酒は、缶ビール350mLを週3回程度。喫煙習慣なし。運動習慣なし。朝は食欲がなく、ヨーグルト(脱脂加糖)を1個食べて出勤する。間食として毎日3回程度、缶コーヒー(乳成分入り・加糖)を飲む。この1年間は仕事が忙しく、残業が増えて帰宅時間が遅くなり、夕食を遅く摂ることが多かった。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

目標達成を目指した食事改善のアドバイスである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 朝のヨーグルトに、バナナなど果物を入れて食べるよう助言する。
  • 間食の缶コーヒーを、無糖のものに替えるよう提案する。
  • 帰宅が20時を過ぎたときは、夕食を抜くことを提案する。
  • 禁酒を勧める。

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この過去問の解説 (3件)

01

①× 目標が3kg減量とのことなのでバナナを加えるとエネルギー量が増加してしまうので減量には向いておりません。

②○ 

③× 夕食を抜くことを勧めるのは不適切です。

④× この方は週3回350mlを摂取する程度であり、非アルコール性脂肪性肝疾患なので禁酒は勧める必要がありません。

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02

NAFLDとは、アルコールやウイルスを原因とせず脂肪肝などが見られる状態です。お酒を飲みすぎると肝臓が悪くなるのは有名な話ですが、糖尿病やメタボリックシンドロームなどが原因となりお酒を飲んでいないのに脂肪肝になってしまうということで、患者数も増加しており注目されている疾患です。

アルコール量は純アルコールで男性30g/日以上、女性20g/日以上とされているため少量のお酒を飲んでいてもNAFLDを発症することがあります。

選択肢1. 朝のヨーグルトに、バナナなど果物を入れて食べるよう助言する。

果物を加えるとエネルギー摂取量が増加してしまいます。検査値から肥満であることがわかるため、減量を目的とする必要があります。そのためにエネルギー摂取をする必要はないため、間違いです。

選択肢2. 間食の缶コーヒーを、無糖のものに替えるよう提案する。

摂取エネルギーを控えめにする必要があるため、コーヒーに含まれる糖を減らすのは有効です。

選択肢3. 帰宅が20時を過ぎたときは、夕食を抜くことを提案する。

夕食を抜くと絶食時間が長くなり、そうすると次の食事(翌日の朝ごはん)の代謝に影響が出ます。つまりエネルギーが供給されないことで体は次に入ってくるエネルギーを溜め込もうとします。そのため貯蓄される脂肪が増加し、よりNAFLD悪化の方向に向かうことが考えられるため、間違いです。

選択肢4. 禁酒を勧める。

今回の場合は缶ビール350mlを週3回程度なので、あまり飲みすぎている印象はありません。禁酒はもちろん重要でありできるに越したことはありませんが、最優先する項目ではありません。

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03

この患者の食生活をみると、朝は加糖ヨーグルト、間食として毎日3回加糖コーヒーを飲んでおり、糖質の摂取量が多いことが考えられます。

<前問>より、3か月で3kg減量が目標でることも踏まえて考える必要があります。

選択肢1. 朝のヨーグルトに、バナナなど果物を入れて食べるよう助言する。

不適切です。

バナナなどの果物は糖質であり、さらに糖質摂取量が多くなってしまいます。

選択肢2. 間食の缶コーヒーを、無糖のものに替えるよう提案する。

適切です。

糖分を取りすぎていることが考えられるため、間食の3回の缶コーヒーを無糖のものに替えることは適しています。

選択肢3. 帰宅が20時を過ぎたときは、夕食を抜くことを提案する。

不適切です。

夕食を抜くと他の食事でのエネルギー摂取量が増えることが考えられ、1度に多く食べることにより吸収率も上がり、肥満の原因となります。

選択肢4. 禁酒を勧める。

不適切です。

患者の飲酒量は缶ビール350mLを週3回程度でありそれほど多くないため、禁酒は優先すベきことではありません。

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