管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問196

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問196 (訂正依頼・報告はこちら)

K県健康増進課の管理栄養士である。
K県では5年ごとに国民健康・栄養調査に準じた方法で、統計的に十分な対象者数を得て、県民健康・栄養調査を11月に実施している。
これまでは1日間の食事記録法による食事調査を行い、県民摂取量の代表値を得て、前回調査からの変化を評価できるように実施してきた。今回の調査目的は、経年比較に加え、日本人の食事摂取基準を用いた摂取状況のアセスメントを行い、施策立案の資料を得ることである。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

年代別の検討の結果、40~60歳台男性で食塩を目標量以上摂取している者の割合が、85%と多いことがわかった。40~60歳台男性の食塩摂取量低減に向けて、1年間の食環境整備モデル事業を行うことになった。県内在住従業員が多く、社員食堂の利用率が80%と高い事業所から協力を得た。食塩摂取量の低減が期待できる取組である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 社内ウェブサイトで、栄養成分表示を活用した減塩食品の選び方や使い方を紹介する。
  • 社員食堂で、調理に使用する調味料の量を少しずつ低減する。
  • 社員食堂で、食塩量が2.5g未満の食事に「適塩マーク」をつける。
  • 社員食堂で、県民の健康課題と食塩摂取の現状を伝えるポスターを掲示する。

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この過去問の解説 (3件)

01

事業所レベルの事業では、1人1人に対する個別的な支援ではなく、全体を網羅的に対象とした事業の方が効果が高く、実現性も高いです。今回事業を行う対象となった事業所は社員食堂の利用率が高いことから、社員食堂を利用した事業が適していると考えられます。

選択肢1. 社内ウェブサイトで、栄養成分表示を活用した減塩食品の選び方や使い方を紹介する。

紹介だけだとなかなか行動には移りにくいです。関心期の方には学びが得られて良いかもしれませんが、多くが無関心期であると予想されることからこの事業はあまり効果があるとは言えません。よってこの選択肢は不正解です。

選択肢2. 社員食堂で、調理に使用する調味料の量を少しずつ低減する。

社員食堂の利用率が高く、個人が意識せずとも勝手に減塩ができることから食塩摂取量低減が自然とできるようになります。よってこの選択肢が正解です。

選択肢3. 社員食堂で、食塩量が2.5g未満の食事に「適塩マーク」をつける。

関心期でそういった食事を選択しようとする人が大半であれば効果的ですが、おそらく多くの人が自分の好きなものを食べる傾向にあると考えられるため、効果的とは言えません。よってこの選択肢は不正解です。

選択肢4. 社員食堂で、県民の健康課題と食塩摂取の現状を伝えるポスターを掲示する。

現状を知ることができ無関心期から関心期に移る人も中にはいるかもしれませんが、大半の人は自分事と捉えないため行動変容を起こさないと予想されます。よってこの選択肢は不正解です。

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02

「社員食堂の利用率が80%と高い事業所から協力を得た」とあるため、社員食堂を利用した取組が適していると考えられます。

選択肢1. 社内ウェブサイトで、栄養成分表示を活用した減塩食品の選び方や使い方を紹介する。

不適切です。

社内ウェブサイトで、栄養成分表示を活用した減塩食品の選び方や使い方を紹介しても無関心期の人には行動に移しにくく、社員食堂を利用した取組でもないため、最も適しているとはいえません。

選択肢2. 社員食堂で、調理に使用する調味料の量を少しずつ低減する。

適切です。

社員食堂を多くの人が利用しているおり、自然と減塩できるため、効果的であると考えられます。

選択肢3. 社員食堂で、食塩量が2.5g未満の食事に「適塩マーク」をつける。

不適切です。

社員食堂での取組ですが、個人がその食事を選択しなければ減塩できないため、最も適しているとは言えません。

選択肢4. 社員食堂で、県民の健康課題と食塩摂取の現状を伝えるポスターを掲示する。

不適切です。

社員食堂での取組ですが、ポスターを見たからといって必ず行動に移すとは考えにくいため、最も適しているとは言えません。

参考になった数1

03

社員食堂の利用率が高いので、社員食堂で減塩に調整すると自然と低減できると考えられます。よって正答は②となります。

参考になった数1