管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問19

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

核酸の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • DNAの構成糖は、リボースである。
  • ヒストンは、DNAと複合体を形成する。
  • クロマチンの主成分は、RNAである。
  • mRNAは、アミノ酸と結合する部位を持つ。
  • イントロンは、転写されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

核酸はDNAやRNAを構成している物質で、その構成単位をヌクレオチドといいます。

ヌクレオチドは、リン酸、リボース(糖)、塩基の3つの部品からできてます。

この問題では、核酸の構造、DNA、RNAの違いについて理解しておく必要があります。

選択肢1. DNAの構成糖は、リボースである。

DNAの構成糖はデオキシリボースです。

RNAの構成糖がリボースです。

選択肢2. ヒストンは、DNAと複合体を形成する。

正解です。

ヒストンとは染色体(クロマチン)を構成するタンパク質であり、DNAと共にヌクレオソームを形成しています。

DNAを核内に収納する役割をしています。

選択肢3. クロマチンの主成分は、RNAである。

クロマチンの主成分はDNAです。

選択肢4. mRNAは、アミノ酸と結合する部位を持つ。

アミノ酸と結合する部位を持つのはtRNAです。

アミノ酸を、タンパク質を合成するリボソームへ運ぶ役割をしています。

そのリボソームの主成分となっているものがrRNAです。

mRNAはDNAをコピーしたもので、これをもとにタンパク質が作られます。

mRNA、tRNA、rRNAの役割を覚えおくことが大切となります。

選択肢5. イントロンは、転写されない。

イントロンはRNAポリメラーゼによって転写されます。

エクソンとイントロンが転写されますが、イントロンはスプライシングによって除去されます。

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02

DNA、RNAそれぞれの存在や合成、働きに関する問題です。

DNAとRNAは構成や働きも異なります。

違いを意識して区別していきましょう。

選択肢1. DNAの構成糖は、リボースである。

DNAの構成糖はデオキシリボースです。

RNAの構成糖がリボースです。

選択肢2. ヒストンは、DNAと複合体を形成する。

正しいです。

ヒストンは核内に存在し、DNAを巻き付けて複合体を形成し、収納する働きがあります。

選択肢3. クロマチンの主成分は、RNAである。

クロマチンとは染色体のことで、真核細胞の核内に存在する、DNAとたんぱく質の複合体です。

選択肢4. mRNAは、アミノ酸と結合する部位を持つ。

mRNADNAから合成(転写)されたRNAで、たんぱく質の情報を持つものを指します。

アミノ酸結合部位を持つのはtRNAです。

tRNAは分子内にアンチコドン(mRNAのコドンに対応する塩基配列)を持ち、それに対応するアミノ酸と結合してたんぱく質合成の場に運搬する働きがあります。

選択肢5. イントロンは、転写されない。

イントロンDNAから転写されたmRNA前駆体の中に含まれるたんぱく質翻訳の情報を持たない部分です。

RNAスプライシングでイントロンは切り出され、RNAには含まれませんが、DNAから転写はされているため、この選択肢は不適となります。

まとめ

RNAには様々な種類があります。

DNAやそれぞれのRNAがそれぞれどのように相互作用して働いているか、混同しないように注意して理解を深めましょう。

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03

DNAとRNAの働きやそれぞれの役割を確認しましょう。

選択肢1. DNAの構成糖は、リボースである。

×

DNAの構成糖はデオキシリボースです。

RNAの構成糖がリボースです。

選択肢2. ヒストンは、DNAと複合体を形成する。

ヒストンは核内に存在するタンパク質です。

これにDNAが巻き付き複合体(=ヌクレオソーム)を形成します。

選択肢3. クロマチンの主成分は、RNAである。

×

クロマチンとは、ヌクレオソーム(ヒストンとDNA

らせん状に積み重なった状態のことをいいます。

選択肢4. mRNAは、アミノ酸と結合する部位を持つ。

×

アミノ酸と結合する部位を持つのはtRNAです。

tRNAはタンパク質を合成するためのアミノ酸をリボソーム(酵素)に運ぶ働きがあります。

mRNAはDNAをコピー(転写)したものをいいます。

選択肢5. イントロンは、転写されない。

×

エクソンおよびイントロンはどちらも転写されます。

DNAからmRNAになる過程のmRNA前駆体において、

転写されたエクソンとイントロンが存在しますが、

スプライシングによって不要なイントロンが取り除かれ

必要配列のエクソンがつながりmRNAが完成します。

まとめ

DNAからタンパク質を合成する流れを確認しましょう。

染色体(クロマチン)>ヌクレオソーム(ヒストン+DNA

DNA(AGCT)をコピーしmRNA(AGCU)が生成される(=転写)。

(この過程でエクソン・イントロンともに転写されるが、

不要なイントロンはスプライシングにより除去、

残ったエクソンがつながる=mRNA)

また、DNAからmRNAが合成開始される際、

RNAポリメラーゼが遺伝子上部のプロモーターに結合し、

DNAを鋳型としてスライドしながらmRNAが作られます。

mRNAはrRNA(リボソーム)へ移動し、tRNAによって運ばれたアミノ酸同士が結合してタンパク質が合成されます。

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