管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問20
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 酵素は、化学反応の活性化エネルギーを増大させる。
- 競合阻害では、反応の最大速度(Vmax)は低下する。
- 競合阻害物質は、活性部位に結合する。
- ミカエリス定数(Km)は、親和性の高い基質で大きくなる。
- トリプシノーゲンは、リン酸化により活性化される。
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この過去問の解説 (3件)
01
酵素とは化学反応の解媒をするタンパク質のことです。
この問題では酵素の性質を理解しておく必要があります。
酵素は化学反応の活性化エネルギーを低下させます。
活性化エネルギーとは化学反応を起こすために必要なエネルギーのことです。
化学反応の際、酵素がないと大きなエネルギーが必要となり、酵素があれば小さなエネルギーで化学反応が進みます。
競合阻害では、反応の最大速度(Vmax)は変化しません。
競合阻害とは酵素の活性部分に結合して反応を阻害することです。
反応の最大速度(Vmax)とは、すべての酵素が酵素基質複合体として存在するときに達する速度です。
非競合阻害では活性化された酵素基質複合体がなくなるため、反応の最大速度(Vmax)は低下します。
正しいです。
一方、非競合阻害は、酵素の活性部分以外に結合して反応を阻害します。
ミカエリス定数(Km)は、親和性の高い基質で小さくなります。
ミカエリス定数(Km)は酵素と基質の結合のしやすさを表しています。
酵素の反応速度が最大反応速度(Vmax)の半分になるときの基質濃度です。
Km値をもとに酵素と基質の親和性を知ることができます。
トリプシノーゲンは、加水分解により、トリプシンに活性化されます。
トリプシノーゲンとは膵臓で生成されるタンパク質分解酵素のことです。
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02
酵素反応に関する問題です。
酵素とは基質から生成物に変化する反応を促進するものです。
酵素の働きを理解することで解答を絞ることができます。
活性化エネルギーとは基質から生成物に変化するために使うエネルギーのことです。
酵素は基質と結合し、このエネルギーを減少させる働きがあります。
そのため、酵素は化学変化の反応を促進することができます。
競合阻害ではVmaxは変化しません。
競合阻害では基質の結合する部位に阻害剤が結合することによって反応が阻害されますが、基質濃度を高めることによりこれは克服され、反応はVmaxに到達することができます。
そのため、Km(ミカエリス定数:最大反応速度Vmaxの1/2の速度のときの基質濃度)は上昇しますがVmaxの値は変わりません。
正しいです。
競合阻害で阻害剤は酵素の活性部位に結合します。
それによって基質と酵素が結合できなくなるため、反応が阻害されることになります。
Kmは親和性の高い基質で小さくなります。
ミカエリス定数とは酵素濃度が一定のときに反応速度が最大の1/2倍の速度であるときの基質濃度のことをいい、酵素に対する基質親和性を示す指標になります。
ミカエリス定数が大きいというのは「反応速度が最大の1/2倍になるときの基質濃度が高い」と言い換えることができるため、基質が結合しにくい=親和性が低いということが分かります。
トリプシノーゲンは十二指腸粘膜細胞から分泌される「エンテロキナーゼ」によって活性化されます。
エンテロキナーゼは加水分解によってたんぱく質を分解します。
酵素反応、阻害反応に対するVmax、Kmの変動はとても混同しやすい内容です。
丸暗記せず、理由を理解することで出題方法が変わっても問題を解くことができます。
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03
酵素反応に関する問題です。
反応の速度や阻害剤のはたらきなど確認しましょう。
×
酵素は、化学反応の活性化エネルギーを低下させます。
活性化エネルギーを低下させることにより、化学反応の速度を高めています。
×
競合阻害では、反応の最大速度(Vmax)は変化しません。
基質濃度が高くなると、酵素は阻害物質でなく基質と結合する確率が高くなり、
阻害物質がない場合の速度に近づきます。
〇
競合阻害物質は、酵素の活性部位に結合して基質との反応を阻害します。
×
ミカエリス定数(Km)とは、酵素と基質の結合のしやすさを表し、
ミカエリス定数が小さいと、基質との親和性が高くなります。
×
トリプシノーゲンは、十二指腸で作られるエンテロペプチターゼにより
ペプチド結合が切断されることにより活性化されます。
酵素と基質の反応や、競合・非競合阻害剤のはたらき、
それに伴う反応速度への影響は図やグラフなどで確認すると理解しやすいです。
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