管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問23

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

疾患に伴う変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 壊死は、炎症を引き起こす。
  • 急性炎症では、血管透過性は低下する。
  • 腸上皮化生は、小腸で見られる。
  • 播種は、良性腫瘍の進展様式である。
  • 植物状態では、脳幹の機能が失われている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では多くの疾患の特徴を理解しておく必要があります。

ポイントを押さえ、他の疾患と関連付けて効率よく覚えていきましょう。

選択肢1. 壊死は、炎症を引き起こす。

正しいです。

壊死とは細胞や組織が死ぬことです。

細胞膜の破壊が起こり、組織内において炎症を引き起こします。

選択肢2. 急性炎症では、血管透過性は低下する。

急性炎症では血管の拡張が起こり、血液透過性が亢進します。

急性炎症では好中球が炎症細胞の主役です。

一方、慢性炎症ではリンパ球やマクロファージが炎症細胞の主役となっており、肉芽組織を形成します。

選択肢3. 腸上皮化生は、小腸で見られる。

腸上皮化生は、で見られます。

大腸や小腸の粘膜に似た上皮が形成されてしまうことを指します。

選択肢4. 播種は、良性腫瘍の進展様式である。

播種は、悪性腫瘍の進展様式です。

播種とは、悪性腫瘍が種をばらまいたように広く散らばることです。

悪性腫瘍では、他にリンパ行性転移、血行性転移がみられます。

良性腫瘍では転移がなく、予後も良好です。

選択肢5. 植物状態では、脳幹の機能が失われている。

植物状態は、脳幹の機能が保たれており、大脳の機能が失われている状態です。

脳幹では意識・呼吸・循環を調節しています。

大脳では思考や感情、行動など、多くの高次脳機能を制御する役割をしています。

まとめ

それぞれの疾患の特徴を覚えておきましょう。

参考になった数34

02

様々な疾患・炎症に関する問題です。

広範囲にわたっている問題なので、ひとつひとつ内容を理解する必要があります。

選択肢1. 壊死は、炎症を引き起こす。

正しいです。

壊死とは細胞に病的な刺激が加わった結果、元に戻らなくなった状態のことを指します。

そのため壊死は炎症を伴っています。

選択肢2. 急性炎症では、血管透過性は低下する。

不適です。

急性炎症では血管透過性は上昇します。

その結果、滲出した血漿成分によって組織の再生・修復が行われます。

選択肢3. 腸上皮化生は、小腸で見られる。

不適です。

腸上皮化生はでみられます。

胃は本来単層円柱上皮の形態ですが、変化後は腸上皮に類似した上皮となります。

慢性胃炎や加齢に伴う上皮の萎縮などが原因として挙げられます。

選択肢4. 播種は、良性腫瘍の進展様式である。

不適です。

播種とは腫瘍が臓器の漿膜を破るまで進行し、消化管にばらまかれる状態を指します。

選択肢5. 植物状態では、脳幹の機能が失われている。

不適です。

植物状態では思考などを司る大脳は機能しなくなったものの、生命維持に欠かせない視床下部や脳幹などは機能しています。

まとめ

どの分野においても、言葉の意味や病態、原因をひとつひとつ理解していきましょう。

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03

疾患と炎症に関する問題です。

幅広く理解が求められます。

選択肢1. 壊死は、炎症を引き起こす。

壊死とは、細胞が炎症反応が起こることにより体の組織や細胞が

死んで元に戻らなくなった不可逆的な状態をいいます。

選択肢2. 急性炎症では、血管透過性は低下する。

×

急性炎症では血液透過性は(上昇)亢進します。

選択肢3. 腸上皮化生は、小腸で見られる。

×

腸上皮化生は胃で見られます。

化生とは、すでに分化、成熟した組織が別の組織に置換されることをいいます。

腸上皮化生は、胃腺粘膜上皮において、単層円柱上皮から腸上皮に類似した上皮の形態に変化します。

腸上皮化生の原因として、慢性胃炎や加齢に伴う固有胃粘膜上皮の萎縮が挙げられます。

選択肢4. 播種は、良性腫瘍の進展様式である。

×

幡種は悪性腫瘍の進展様式です。

がん細胞が腹膜や胸膜に、種をまいたように広がることをいいます。

選択肢5. 植物状態では、脳幹の機能が失われている。

×

植物状態とは、脳幹の機能が残っており、回復する可能性があることをいいます。

脳死は、脳幹機能を含む脳全体の機能が失われ、回復する可能性がないことをいいます。

まとめ

慢性炎症急性炎症の違いと炎症反応の概要(マクロファージとマスト細胞、好中球の働き

滲出液濾出液の違い(原因、タンパク質成分、凝固性

脳死植物状態の違い

化生の種類とそれが起こる原因(扁平上皮化生、腸上皮化生、軟骨化生、骨化生

上記のキーワードをそれぞれ確認しまとめておきましょう。

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