管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問24
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
臨床検査に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 溶血性貧血による高ビリルビン血症では、直接ビリルビンが優位になる。
- 血中CRP値は、炎症で低下する。
- 抗GAD(抗グルタミン酸脱炭酸酵素)抗体は、自己抗体である。
- 腹部エコー検査は、妊娠中の女性には禁忌である。
- MRI検査は、X線を利用して画像を得る。
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この過去問の解説 (3件)
01
検査方法は疾病によりさまざまです。
病態を理解しておくことで、どのような検査が行われているか関連付けやすいでしょう。
溶血性貧血による高ビリルビン血症では、間接ビリルビンが優位になります。
ビリルビンとは赤血球に含まれるヘモグロビンの分解物質です。黄色い色素で、黄疸の原因となります。
肝臓に運ばれる前のものを間接ビリルビン、肝臓で処理が行われたあとのものを直接ビリルビンといいます。
溶血性貧血とは、赤血球の破壊が進み、溶け出してしまうことによる貧血であり、間接ビリルビンが優位になり黄疸がみられるのが特徴です。
直接ビリルビンが原因の黄疸は、胆道が閉塞されて直接ビリルビンが排泄されないことにより起こります。
CRP値は炎症反応を示す検査値です。
血中のCRP値は、炎症で上昇します。
組織障害や感染による炎症が起こると、インターロイキン1や6、TNFαなどのサイトカインが分泌されて肝細胞に作用し、急性期反応性タンパクが産生されます。その代表的な炎症マーカーがC反応性タンパク(CRP)です。
正しいです。
抗GAD(抗グルタミン酸脱炭酸酵素)抗体とは、1型糖尿病で認められる自己抗体です。
自己抗体とは自分の体の成分に対する抗体であり、自己免疫疾患には関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、甲状腺機能異常などがあります。
腹部エコー検査は、妊娠中の女性にも実施できます。
胎児の状態を見る際に実施されています。
MRI検査は、磁気を利用して画像を得ています。
X線を利用している検査は、CT検査です。
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02
臨床検査に関する問題です。
検査の仕方や対象となる検査値は内容、疾患によってさまざまです。
検査値すべての数値を暗記することは困難ですが、大まかな傾向は抑えておくと問題を解きやすくなります。
不適です。
溶血性貧血による高ビリルビン血症は、間接ビリルビンが優位になります。
赤血球が老化すると脾臓でヘモグロビンが分解され、鉄と間接(非抱合型)ビリルビンになります。
間接ビリルビンは肝臓に運ばれ、グルクロン酸抱合を受けて水に可溶性の直接ビリルビンになります。
直接ビリルビンは胆汁の構成要素となり、最終的に排泄されます。
溶血性貧血では、赤血球が過剰に破壊されるため間接ビリルビンが多量に作られます。
それに対し肝臓のグルクロン酸抱合が間に合わず、間接ビリルビンが増加します。
不適です。
CRP(C反応性たんぱく質)は炎症の急性期に増加します。
そのため、炎症マーカーとして用いられています。
正しいです。
抗GAD抗体は、Ⅰ型糖尿病で認められる自己抗体です。
不適です。
腹部エコー検査は胎児に影響を及ぼさないため、妊娠健診に適しています。
反対に、エコー以外の画像検査は胎児への影響を考慮し、完全にもしくは一部を実施しないこととなっています。
不適です。
MRI検査は核磁気共鳴画像法といい、磁石と電磁波を利用して人体の画像を得ることができます。
X線は使用しないため、放射線被ばくの心配はありません。
病態への理解を深めることで検査値や検査の手段を絞り込むことができます。
解答だけでなく、病態も理解しましょう。
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03
臨床検査に関する問題です。
×
溶血性貧血では、赤血球が破壊され間接ビリルビンが増加し、
そのための黄疸、脾腫が起こります。
直接ビリルビンとは、赤血球破壊が起こり間接ビリルビン(ヘモグロビンが壊れてできる血色素)が増加後、
肝細胞にて間接アルブミンからアルブミン分離(グルクロン酸抱合)の後にできた、
非抱合型ビリルビンをいいます。
×
血中CRP値は炎症マーカーであり、炎症で高値を示します。
〇
抗GAD抗体はⅠ型糖尿病の発症初期に認められる膵島関連自己抗体です。
×
腹部エコー検査は胎児に影響なく実施できる超音波検査です。
×
MRIはX線を使わず磁石と電波を使うため被ばくしません。
検査値や病態について確認しましょう。
溶血性貧血において直接ビリルビン、間接ビリルビンの違いや、
貧血の種類まで今一度確認しておくとよいでしょう。
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