管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問30
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
循環器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 狭心症では、心筋壊死が生じる。
- 腎血管性高血圧は、本態性高血圧である。
- 心室細動は、致死性不整脈である。
- 右心不全では、肺水腫が生じる。
- 心不全では、血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が低下する。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、心臓系疾患について理解しておくことで、ある程度答えを絞ることができます。
病態それぞれの特徴を覚えておきましょう。
心筋梗塞では、心筋壊死が生じます。狭心症では生じません。
狭心症と心筋梗塞をまとめて虚血性心疾患といいます。
両者の違いは、心筋の回復状態です。
狭心症では、冠動脈は完全には塞がってはいないですが、狭くなっている状態で心筋の回復が期待できます。
一方、心筋梗塞では、冠動脈が完全に塞がってしまった状態であり回復が困難です。
腎血管性高血圧は、二次性高血圧です。
二次性高血圧とは原因が明らかな高血圧であり、本能性高血圧とは原因がはっきりしていない高血圧のことです。
本能性高血圧のおもな危険因子はストレス、塩分過剰摂取、肥満であり、さらに体質的素因が関与しているといわれています。
正しいです。
心室細動は、致死性不整脈であり、突然死してしまうことがあります。
左心不全では、肺水腫が生じます。
肺水腫は左右心室拍出量の不均衡による肺静脈圧の上昇により起こります。
一方、右心不全では、心拡大が生じます。
心不全では、血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が上昇します。
血中BNPは主に心臓の心室で合成され、分泌されます。
心室に負荷がかかっている状態のときに高値となります。
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02
循環器疾患に関する問題です。
病態や症状、原因などを疾患ごとに理解していくことがポイントです。
狭心症では心筋壊死には至りません。
狭心症は冠動脈の狭窄による心筋への一時的な虚血状態であり、壊死には至りません。
一方で、心筋梗塞は冠動脈が閉塞され、心筋に血液が届かないため、心筋壊死が生じます。
腎血管性高血圧は二次性高血圧です。
二次性高血圧とは明らかな原因疾患があり、その疾患の徴候として高血圧がみられるものを指します。
それに対し、原因疾患が不明で、遺伝因子や生活習慣などの環境因子が原因となっている場合の高血圧を本態性高血圧と呼びます。
正しいです。
心室細動とは、血液を押し出す心室が震えることで血液を送り出せなくなった状態を指します。
それによって主要臓器にも血液が回らなくなり、死に至ります。
左心不全では肺水腫が生じます。
左心は肺から戻ってきた血液を全身に送りだす働きをしています。
左心不全に陥った場合はその機能が低下し、肺に水分が溜まってしまうため、肺水腫になります。
心不全では血中BNP値は上昇します。
血中BNPは心臓に負荷がかかったときに、主に心室から分泌されるホルモンです。
負担がかかると分泌されるため、心不全の早期発見にも使用される検査数値の一つです。
心臓や肺の働きや、それぞれに及ぼす影響を理解すると解答を選びやすくなります。
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03
循環器疾患についての問題です。
狭心症と心筋梗塞の比較や血圧について確認しましょう。
×
心筋壊死が生じるのは心筋梗塞です。
心臓に酸素と栄養を運ぶ冠動脈が詰まり、心筋細胞が壊死することにより起こります。
×
腎血管性高血圧は、二次性高血圧です。
二次性高血圧とは特定の原因がある高血圧のことで、
他に腎実性高血圧、内分泌系高血圧、心血管性高血圧などがあります。
〇
心室細動は、心停止の原因で最も多く致死性不整脈といいます。
×
右心不全では胸水が溜まります。
右心室の働きが低下すると肺へ送る血液が滞り、全身に血液が溜まった状態になると
胸の静脈から血液がしみ出て胸に水が溜まります。
×
心不全では、血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が上昇します。
循環器疾患の内容としては、高血圧の分類、二次性高血圧、高血圧予防のための生活習慣などについて確認しておきましょう。
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