管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問32
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
腎疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準に含まれる。
- ネフローゼ症候群では、血清LDLコレステロール値は低下する。
- 糖尿病性腎症病期分類での早期腎症期は、顕性アルブミン尿陽性である。
- 慢性腎不全では、低リン血症がみられる。
- 腹膜透析液のグルコース濃度は、血中のグルコース濃度より高い。
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この過去問の解説 (3件)
01
腎臓の機能を理解しておくことで、問題の答えを導きやすくなるかと思います。
高血圧はネフローゼ症候群の診断基準には含まれません。
ネフローゼ症候群の診断基準には、たんぱく尿(1日の尿たんぱくが3.5以上持続)、低たんぱく血症(血清総たんぱくが6.0g/dl以下、低アルブミン血症とした場合、血清アルブミン量が3.0g/dl以下)が必須条件です。
他に脂質異常症(血清総コレステロール値350mg/dl以上)、浮腫があります。
ネフローゼ症候群では、血清LDLコレステロール値は上昇します。
低アルブミンとなった際、肝臓でアルブミン生成が行われますが、その際にリポタンパク質も生成され、コレステロール上昇の原因となります。
糖尿病性腎症病期分類での早期腎症期は、微量アルブミン尿陽性です。
慢性腎症前期、慢性腎症後期、腎不全期では、持続性たんぱく尿陽性となります。
慢性腎不全では、高リン血症がみられます。
腎機能が低下し、リンの排出が低下するためです。
他に、高カリウム血症、高血圧、浮腫、代謝性アシドーシスなどがみられます。
正しいです。
透析膜の濃度を高くすることで、余分な水分を血液から取り出しています。
ブドウ糖の濃度が高い透析液を使用することで、体への害が少なくなり、透析中の低血糖を防止します。
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02
腎疾患に関する問題です。
似た疾患がありますが症状や検査所見などは少しずつ異なります。
混同しないようにしっかりと覚えておきましょう。
ネフローゼ症候群の診断基準に高血圧は含まれません。
診断基準では①尿蛋白 ②低アルブミン血症が必須条件としてあげられ、③浮腫 ④脂質異常症(高LDL血症)も重要な所見として認められています。
ネフローゼでは血中LDLコレステロール値は上昇します。
ネフローゼ症候群になると尿中にたんぱく質が漏れ出すため、低アルブミン血症になります。
その時、肝臓ではアルブミンの合成が活性化されます。
アルブミンを合成する際に同時にLDLコレステロールも合成されてしまうため、ネフローゼ症候群では高LDLコレステロール血症になります。
糖尿病性腎症早期では微量のアルブミン尿が見られます。
顕性腎症期になると顕性アルブミン尿や、持続性たんぱく尿が見られます。
慢性腎不全では高リン血症が見られます。
腎臓からリンの排泄が減少するため高リン血症となります。
正しいです。
腹膜透析では除水のために浸透圧を形成する必要があるため、血中グルコース濃度より高くされています。
腎臓疾患と腎機能を合わせて覚えておくと解答を絞りやすくなります。
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03
腎疾患に関する問題です。細かく病態が分かれているのでしっかり確認しましょう。
×
ネフローゼ症候群の診断基準に含まれません。
診断基準は以下の通りです。
1.尿たんぱく 3.5g/日以上
2.低アルブミン血症(血清アルブミン3.0g/dL以下、血清総たんぱく質6.0g/dL以下)
3.浮腫
4.脂質異常症(高LDLコレステロール血症)
※1,2は必須条件です。
×
ネフローゼ症候群では、血清LDLコレステロール値は上昇します。
×
糖尿病性腎症病期分類での早期腎症期は、微量アルブミン尿がみられます。
顕性腎症以降で尿たんぱく陽性となります。
×
慢性腎不全では、高リン血症がみられます。
腎機能低下により尿中へリン排出できなくなるためです。
〇
腹膜透析液のグルコース濃度は血中グルコース濃度よりも高く、
尿量に応じて1.5~2.5%で調整します。
腎疾患に関しては、
ネフローゼ症候群、急性・慢性腎不全(CKD)、糖尿病性腎症
など、病期や病態によって栄養管理・食事療法が細かく異なっているので
しっかり把握しておくことが重要です。
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