管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問33
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
内分泌疾患とホルモンに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 尿崩症では、バソプレシンの分泌が増加する。
- 原発性副甲状腺機能亢進症では、血清リン値が低下する。
- 原発性アルドステロン症では、血漿レニン活性が上昇する。
- アジソン病では、コルチゾールの分泌が増加する。
- 褐色細胞腫では、カテコールアミンの分泌が減少する。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、疾患とホルモンの作用をひも付けて理解しておくことが大切です。
内分泌疾患のメカニズムを理解しておきましょう。
尿崩症では、バソプレシンの分泌が減少します。
バソプレシンとは抗利尿ホルモンであり、腎臓における水の再吸収を促進します。
尿崩症とは、抗利尿ホルモンの分泌異常によって、濃縮されない比重の低い尿が頻繁に出る病態のことです。
正しいです。
副甲状腺ホルモン(PTH)過剰によるリン利尿の亢進のためです。
原発性アルドステロン症では、血漿レニン活性が低下します。
原発性アルドステロン症では、アルドステロンを多く分泌することにより、ナトリウムの再吸収を促進し、循環血液量が増加し、血圧が上昇します。
レニンは、輸入細動脈の末端部に存在する顆粒細胞から分泌されるアンジオテンシンⅠを合成するたんぱく質分解酵素の一種です。
腎血流量が減少するとレニンの分泌は促進し、増加すると抑制します。
レニンによって活性化されたアンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素により、血圧上昇作用が強力なアンジオテンシンⅡに変化します。
さらに、アルドステロンを分泌させ、血圧を上昇させます。
アジソン病では、コルチゾールの分泌は減少します。
アジソン病は副腎の機能が低下し、副腎皮質ホルモンが不足する病気です。
コルチゾールは副腎皮質ホルモンのひとつで、糖の生成、たんぱく質代謝、脂肪分解の促進などを行っています。
褐色細胞腫では、カテコールアミンの分泌は増加します。
褐色細胞腫では、カテコールアミン産生の腫瘍により、高血圧、発汗、動悸、頻脈、頭痛、食欲不振、基礎代謝亢進、高血糖、胃腸運動の低下などの症状を引き起こします。
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02
内分泌系に関する問題です。
それぞれのホルモンの正常な働きと、異常をきたした疾患の状態を理解しておきましょう。
尿崩症はバソプレシンの分泌が低下したために引き起こされる疾患です。
バソプレシン分泌の低下により水分の再吸収が抑制されます。
そのため、原尿が濃縮されることなく多量に排泄されてしまっている病態です。
正しいです。
副甲状腺機能が亢進することで、副甲状腺ホルモンであるパラトルモンの分泌が上昇します。
パラトルモンの分泌により骨吸収促進や小腸での吸収促進が行われる一方で、腎臓ではカルシウム再吸収促進とリンの排泄亢進がおこります。
その結果、血中カルシウム濃度が上昇し、リン濃度は低下します。
原発性アルドステロン症では、血漿レニンの活性は低下します。
原発性アルドステロン症では腎遠位尿細管におけるNa⁺と水の再吸収を亢進するため、血圧が上昇します。
レニンは循環血液量が低下したときに活性化するホルモンであり、原発性アルドステロン症では活性は上昇しません。
アジソン病はコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の分泌が低下する疾患です。
コルチゾールが増加するのはクッシング症候群です。
褐色細胞腫では、カテコールアミンの分泌の過剰がおこります。
交感神経の刺激症状などがあり、二次性の高血圧症をきたす原因の一つでもあります。
内分泌系疾患は紛らわしく覚えづらいものが多いです。
同じホルモンの亢進症と低下症を合わせて覚えると覚えやすくなります。
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03
内分泌疾患とホルモンの働きに関する問題です。
ホルモン分泌器官と主な作用を確認しましょう。
×
尿崩症では、バソプレシンの分泌が減少します。
バソプレシンは脳下垂体後葉から分泌され、
腎臓において水分の再吸収を促進します。
〇
原発性甲状腺機能亢進症では、パラソルモン(PTH)が過剰に分泌され
これが腎臓に作用し尿からリンを排出させるため血清リン値が低下します。
×
原発性アルドステロン症では、血漿レニン活性が低下します。
原発性アルドステロン症とは、副腎皮質からアルドステロンが過剰に分泌され、
ナトリウム貯留による循環血液量の増加に伴い血圧が上昇します。
これによりネガティブフィードバックを受けてレニン活性が低下します。
×
アジソン病では、コルチゾールの分泌は低下します。
副腎皮質の機能が低下するため、コルチゾールとアルドステロン、
血糖値や血圧も低下します。
×
褐色細胞腫では、テコールアミンの分泌が増加します。
カテコールアミンは副腎髄質から分泌されるホルモンで、交感神経に作用し
血圧を上昇させたり、肝臓でのグリコーゲン分解を促進し血糖を上昇させる働きがあります。
内分泌系の問題は頻出項目です。
ホルモンが増加・減少することによる反応や症状など、
疾患別にまとめておきましょう。
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