管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問36
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
運動器系に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 日光曝露の不足は、くる病の原因である。
- 高リン血症は、骨軟化症の原因である。
- 糖尿病は、骨折のリスク因子である。
- 脊椎椎体は、骨粗鬆症における骨折の好発部位である。
- DXA(DEXA)法は、骨密度の評価に用いられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
運動器系・骨に関する問題です。
骨のリモデリングや血中のカルシウムの動態も併せて学ぶと内容が理解しやすくなります。
正しいです。
くる病とはカルシウム不足により骨石灰化が低下し、骨が変形するなどの症状をきたす疾患です。
日光曝露が不足すると血中の活性化ビタミンDが不足するため、小腸からのカルシウム吸収が低下します。
そのため血中カルシウム濃度が低下し、くる病の原因となります。
不適です。
低リン血症は骨軟化症の原因になります。
骨軟化症とくる病は病態としては同じで、カルシウムの不足により骨の変形や痛みを感じます。
リンはカルシウムとともに小腸における吸収が低下し、血中リン濃度は低下します。
正しいです。
糖尿病では持続的な高血糖や酸化ストレスにより、骨のコラーゲンの架橋構造に異常が生じるため骨密度が低下し、骨折のリスクとなります。
正しいです。
脊椎椎体とは椎骨の円柱状の部分を指します。
骨粗鬆症による骨折の好発部位は胸椎、腰椎の他に、腕にある橈骨や尺骨、上腕骨、肋骨などが挙げられます。
正しいです。
DXA法は骨量(骨密度や骨塩量)の測定に用いられます。
そしてその測定数値が骨粗鬆症の診断に用いられます。
骨軟化症とくる病、骨粗鬆症はしっかりと区別して覚えておきましょう。
*骨軟化症とくる病*
状態:Caの不足によって骨石灰化が低下(有機物は減少しない)
症状:骨の変形や痛み
血清濃度:Ca↓、P↓、ALP↑
※ALP:骨に多く存在する、臓器破壊や修復の際に合成が亢進する酵素
*骨粗鬆症*
状態:骨の中のCaと有機物(コラーゲンなど)の量が両方が減少
症状:骨がもろくなり骨折しやすくなる
血清濃度:Ca→、P→、ALP→
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02
この問題では骨疾患について理解しておく必要があります。
正しいです。
くる病は小児期に発症し、骨の発育不全を起こします。
ビタミンDの欠乏や、代謝異常が原因です。
ビタミンは紫外線により生産されるため、日光暴露不足はくる病の原因になります。
誤りです。
「低リン血症は、骨軟化症の原因である」が正しいです。
骨軟化症は骨のカルシウムやリンなどのミネラル量が減少した骨の質的異常で、石灰化していない骨組織が多量にみられます。
小児では「くる病」といわれます。
正しいです。
糖尿病ではインスリン作用不足になります。
インスリンには成長促進作用もあるため、インスリン不足により骨の成長も悪くなり、骨折のリスクも高まります。
正しいです。
骨粗鬆症の症状は、骨量減少および骨折、それにともなう腰背部痛などです。
骨折が起こる主な部位は、脊椎、大腿骨、頸部などです。
正しい章です。
DXA(DEXA)法は、骨密度の評価に用いられます。
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03
運動器系に関する問題です。
特に骨に関する疾患とその原因など確認しておきましょう。
〇
日光暴露の不足により、ビタミンD生成が不足すると
くる病や骨軟化症の原因となります。
×
低リン血症は、骨軟化症の原因となります。
高リン血症になると、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌し
骨のカルシウムが血液に溶け出すため、骨がもろく骨折しやすくなります。
〇
高血糖によるインスリン抵抗性などにより、骨質が劣化し
骨がもろく骨折しやすくなります。
〇
骨粗しょう症の好発部位は、
脊椎(背骨)、大腿骨近位部(太ももの付け根)、橈骨遠位部(手首)
などです。
〇
DXA(DEXA)法は、骨密度の評価に用いられます。
骨粗しょう症とくる病、骨軟化症について、病態に加えて
血中カルシウム値、リン値、副甲状腺ホルモン(PTH)について
まとめておきましょう。
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