管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問38

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

血液系に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 末梢血中の赤血球は、核を持つ。
  • 好中球は、抗体を産生する。
  • 単球が血管外へ遊走すると、形質細胞となる。
  • フィブリンは、トロンビンによりフィブリノーゲンに変換される。
  • PAI─1は、脂肪細胞で産生される。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、血球の種類、止血の仕組み、免疫機能について理解しておく必要があります。

選択肢1. 末梢血中の赤血球は、核を持つ。

末梢血中の赤血球は、核を持ちません

赤血球の寿命は120日であり、減少すると貧血を起こします。

選択肢2. 好中球は、抗体を産生する。

形質細胞が、抗体を産生します。

 

免疫に関わる細胞には、B細胞、T細胞、NK細胞などがあります。

形質細胞とはB細胞が分化した細胞です。

B細胞は体液性免疫に関与しています。

また、T細胞は細胞性免疫、NK細胞は自然免疫に関与しています。

選択肢3. 単球が血管外へ遊走すると、形質細胞となる。

単球が血管外へ遊走すると、マクロファージとなり、貪食作用をもちます。

形質細胞はB細胞が分化した細胞です。

選択肢4. フィブリンは、トロンビンによりフィブリノーゲンに変換される。

フィブリノーゲンは、トロンビンによりフィブリンに変換されます。

トロンビンは、プリトロンビンから変化します。

選択肢5. PAI─1は、脂肪細胞で産生される。

正しいです。

PAI-1は、血液凝固作用をもつ、悪玉アディポサイトカインのひとつです。

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02

血液系に関する問題です。

血球の形態やそれぞれの働きのほか、免疫系も併せて確認しておくと問題を解きやすくなります。

選択肢1. 末梢血中の赤血球は、核を持つ。

赤血球は核を持ちません

赤血球は骨髄で赤芽球から分化する段階で脱核するため、核を持ちません。

選択肢2. 好中球は、抗体を産生する。

好中球は貪食作用をもち、抗体は産生しません。

抗体は、Bリンパ球から分化した形質細胞で産生されます。

選択肢3. 単球が血管外へ遊走すると、形質細胞となる。

単球は血管外へ遊走するとマクロファージになります。

形質細胞は主に骨髄内でB細胞から分化します。

選択肢4. フィブリンは、トロンビンによりフィブリノーゲンに変換される。

フィブリノーゲンに、活性型プロテアーゼであるトロンビンが作用して不溶性のフィブリンなります。

選択肢5. PAI─1は、脂肪細胞で産生される。

正しいです。

PAI−1はアディポサイトカインの一つで、脂肪細胞から分泌されます。

血栓の形成を促進する働きがあり、悪玉サイトカインに分類されます。

まとめ

血液系の病態だけでなく、もともとの働きをきちんと理解しておくことが重要です。

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03

血液系に関する問題です。

血球成分とその分化、働きや免疫系についてしっかり覚えましょう。

選択肢1. 末梢血中の赤血球は、核を持つ。

×

末梢血中の赤血球には、核がありません。

造血幹細胞から分化し赤血球になる過程で、核がなくなります。

また、この過程では同時にミトコンドリアもなくなります。

選択肢2. 好中球は、抗体を産生する。

×

抗体は、Bリンパ球が分化してできた形質細胞から産生されます。

好中球は、白血球の45~75%を占め、

貪食作用により細菌感染から体を守る働きがあります。

選択肢3. 単球が血管外へ遊走すると、形質細胞となる。

×

単球が血管外へ遊走するとマクロファージになります。

マクロファージは白血球の約5%で、細菌やウイルスが体内に侵入すると

それらの異物を食べて細菌感染から体を守ります。

形質細胞とは、Bリンパ球が分化し産生されます。

選択肢4. フィブリンは、トロンビンによりフィブリノーゲンに変換される。

×

フィブリノーゲンにトロンビンが作用しフィブリンに変換されます。

選択肢5. PAI─1は、脂肪細胞で産生される。

PAIー1は、脂肪細胞で産生され、血栓の形成を促進します。

TNF-α、アンギオテンシノーゲンとともに悪玉アディポサイトカインです。

まとめ

脂肪細胞から産生される成分は以下の通りです。

★PAIー1(動脈硬化)、TNF-α(耐糖能)、アンギオテンシノーゲン(高血圧)

 ⇒悪玉アディポサイトカイン

★レプチン(摂食)、アディポネクチン(耐糖能、動脈硬化)

 ⇒善玉アディポサイトカイン

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